41歳で突然半身不随…「リハビリはスパルタ病院へ」【病床ROCK尺】vol.7

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ICUを脱出すると、早速リハビリが始まりました。ただ、体は何かにつかまって立ち上がるのがやっとの状態です。油断すれば左膝が勝手に曲がっていきます。リハビリするうちに、股関節は動かせそうだというのが分かりました。

しばらくすると、支柱が入ったサポーターを膝に巻いて、手すりにつかまりながら歩く真似ごとだけは何とか成功。しかし、小柄な女性の療法士さんに支えてもらっても、やはり膝が曲がって倒れそうでした。

生命の危機にさらされている時期、急性期での入院は1カ月まで、ということで、ぼちぼち転院先のリハビリ病院を探さなくてはなりません。いくつか名前をあげられた中に、聞き覚えのある病院がありました。数年前、妻の祖母が80歳を過ぎて大腿骨折をした時に、リハビリ入院をしていた病院だったのです。自宅からはちょっと遠いのが難点でしたが、祖母はしっかり歩けるようになっていたし、これも何かの縁だと担当の療法士さんにも相談したところ、

「スパルタだけれど、しっかりリハビリできるいい病院ですよ」

そこに転院させてもらうことになりました。

いざ転院の日、1カ月ぶりの外の世界は雨。雨男なんですよね。介護タクシーというものに、車椅子ごとくくり付けられて乗りました。せめてゆっくり景色くらい見たかったのですが、こんなものです。果たして次に外に出られるのはいつのことでしょうか。

なんて感慨に浸っている暇もなくリハビリが始まりました。いきなり担当の理学療法士の先生にやられました。支柱が入ったサポーターを膝に巻いて、

「杖を持って、一回り歩いてみましょうか」

「杖で歩くのは初めてです」

「えっ、知らなかった。そのくらいはやっていたと思っていました」

あの、添書というのはないのでしょうか。そういえば、たまたま祖母の担当も同じ先生で、それはもう厳しかったと愚痴を言っておりました。ま、そのおかげで歩けるようになったんでしょうけどね。

 

Profile

法坂一広(ほうさか いっこう)

福岡市を拠点に活動する弁護士、小説家。2011年に『弁護士探偵物語・天使の分け前』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞。以降、弁護士探偵物語シリーズを執筆する。最新作は『ダーティ・ワーク』(幻冬舎文庫、2015年)。趣味はアビスパ観戦とトレイルランニング。西日本新聞社刊登山情報紙『のぼろ』でショートストーリーを連載中。

 

※情報は2016.9.29時点のものです

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