グルメ小説“N氏の晩餐”in東京<中篇>/神田駿河台・山の上ホテル「天ぷらと和食 山の上」

※グルメ小説“N氏の晩餐”in東京<前篇>/銀座「ビヤホールライオン銀座七丁目店」

窓の外いっぱいに広がる緑。その向こうには高層ビル群が摩天楼のように浮かび上がっている。

今回の東京出張の件をN氏に話したとき、「それなら私の定宿に泊まるといいですよ」というありたがたいお申し出をいただき、予約してもらったのがこのホテルだった。

前夜、銀座のビアホールを出て、今回の旅の夢先案内人ことH氏にタクシーで送ってもらったこのホテル。玄関先のロータリーで車を降りてロビーに入ると、福岡では見たことがないような絢爛豪華な設え。フロントへとつながる廊下には洋服店やギャラリーが並び、ピアノの演奏が流れるラウンジの窓外にはライトアップされた滝が煌々と流れ落ちていた。

フロントで恐る恐るチェックイン。前払いで請求された金額は驚くべきもので、なんと1万円からお釣りがきた。まさに親の七光りならぬN氏の八光り。N氏マジックだ。

チェックアウトして、最寄りの駅へと向かう。ホテルのすぐそばに川なのか堀なのか、水辺があり、よく見ると昔ながらの釣り堀が。都会のど真ん中にこんな牧歌的な光景があるなんて、なんだか不思議な感じ。

今日もH氏と東京グルメ散歩の予定。

午前中は新宿の百貨店に足を運び、ウィンドウショッピングを堪能。ふらりと立ち寄った紳士服売り場で、白のストライプが入ったブルーのネクタイが目に入り、グルメ案内人のH氏へのお礼として購入。

時間になったので中央線で御茶ノ水駅へ。

神保町へと下る坂道。その中ほどで右に折れると、クラシックなホテルが立っている。

そのホテルの中にある和食店へ。

木のぬくもりがあふれる店内は、天ぷらを揚げる油の良い香りで包まれている。

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