【N氏の観劇日記】博多座公演「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」(2017.1)

2017年1月12日(木)13:00開演

ミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」

@博多座

演劇の殿堂「博多座」。

洋風建築に提灯という一見アンバランスな組み合わせが実によくはまっている。

「ネオクラッシック(新古典主義)」と呼ばれるその建築様式が西洋でもてはやされるようになったのと提灯が日本で大衆化したのはほぼ同時代。大陸の東西で同時代に発展を遂げた二つの様式が、二百数十年の時を越えて博多のど真ん中で融合していると思うと、何とはなしに胸の高鳴りを覚える。

今年最初の公演は九州では初めての上演となるミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」。

舞台設定は1977年のアメリカ・フィラデルフィア。殺人事件の目撃者となってしまったシンガー・デロリスが身を隠すことになった修道院で、その自由奔放な性格を存分に発揮して修道女たちの敬虔な生活に波紋を立たせつつ、持ち前の歌唱力と明るさで彼女たちをアップテンポな歌、そして爽快なダンスの魅力に引き込んでいくというミュージカルコメディの傑作だ。

その序盤。カラフルなディスコとモノトーンの修道院、喧噪と静寂、明と暗、聖と俗、という鮮明な対比構造を巧みに表現することで、観客を物語の中に一気に引き込んでいく。

デロリスによって心の解放をもたらされた修道女たちの歌声によって、その二律背反が溶け合い高い次元へと昇華していく。歌声の前には聖も俗もなく、そこにあるのは歓喜、すなわち今まさに生きているという輝かしい喜びだけなのだ。

本作はデロリスの成長ストーリーとして語られ、評されることが一般的だが、元宝塚歌劇団のトップスター・蘭寿とむが演じるデロリス像はその既成観念をいい意味で払拭していると言える。一本芯が通った力強い女性像。徹頭徹尾貫かれる意思の強さと人生を心から愉しもうとする姿勢は、辛く寂しい生活を送ってきた修道女たちに共感を与え、心の解放へと導いていく。まさに現代社会が求める女性リーダー像そのもの。今という時代にふさわしい新しいデロリス像の誕生だ。

加えて特筆すべきは舞台美術の素晴らしさ。ノートルダム大聖堂を彷彿とさせる荘厳なゴシック教会が博多座の舞台上に浮かび上がる情景は、あまりの美しさに客席からため息がもれるほど。前から4列分の座席をすべて撤去し、床を落ち込ませて設置されたオーケストラピットからの生演奏も聞き応え抜群。

カーテンコールでキャストと観客が総立ちになって踊るダンスタイムは「サタデーナイトフィーバー」さながらの熱狂で、千数百人が一斉にジョン・トラボルタよろしく人差し指を突き上げるラストは圧巻。まさにこの歓喜のミュージカルコメディにふさわしい幕切れであった。

■ミュージカル「天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~」■

〇公演期間:2017年1月7日(土)~28日(土)

〇会場:博多座

〇公式HPhttp://www.hakataza.co.jp/lineup/h29-1/index.php

〇観覧料(税込):A席 14,500円 特B席 11,000円 B席 8,500円 C席 5,000円

〇問い合わせ:092-263-5555(博多座電話予約センター)

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※情報は2017.1.16時点のものです

博多座

住所福岡市博多区下川端町2-1
TEL092-263-5858
URLhttp://www.hakataza.co.jp/

AKASAKA BOY

謎のライター

1978年福岡市赤坂生まれ。福岡の街の魅力を小説形式で発信中☆

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