【穂高ゆう】同期の支え 上級生の見守り 宝塚100年は強い絆があってこそ

今年は宝塚歌劇団にとって100周年という記念すべき年。桜が満開の4月初旬、100周年記念「大同窓会」に出席しました。戦前から現在まで、世代を超えて820人ほどの乙女たち(タカラジェンヌをこう呼ぶのです)の笑顔があふれ、会場は大興奮の渦に。全員で「すみれの花咲く頃」を歌いながら、私はあらためて絆の深さを強く感じていました。

宝塚音楽学校では予科1年、本科1年の2年間を過ごします。私の同期、78期は40人。特に予科生時代は想像をはるかに超えた厳しい生活でした。「同期1人の失敗は同期全員の責任」。この言葉通り、決して裏切ることなく全員で支え合い乗り越えた1年でした。

たとえば朝の掃除。7時20分から8時40分まで、決められた担当場所を1年間掃除します。担当場所には40番までの番号と名称があります。ちなみに私は「5番目 講堂掃除 松ヤニ分担をさせていただく者」。床板のささくれは紙ヤスリでツルツルに。板の目はヘアピンを使ってほこりを出し、粘着テープで取る。髪の毛一本NGで、誰かが「ご注意」をされるとみんな掃除をやめて直立不動で「すみませんでした」と叫んでいました。

この「お掃除分担」で上下のつながりもできます。その場所を担当していた本科生が掃除の仕方を予科生に教え、掃除以外にも面倒を見る教育係になります。

華やかな舞台とは裏腹に、芸事は厳しい世界。苦楽をともにした同期との横の絆、厳しいけれど必ず見守ってくれる上級生との縦の絆。「清く正しく美しく」の教えとともに、目には見えない横と縦の強い絆がしっかり受け継がれてきたからこその100年なのです。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.4.26時点のものです

穂高ゆう

元宝塚歌劇団男役(78期生)。ボーカリストのほか、宝塚での経験をもとにした講演、姿勢とウオーキングを中心に心と身体を美しく健康に保つためのワークショップなど活動中。福岡県うきは市出身で「うきはふるさと大使」も務める。

穂高さんのインタビュー記事はこちら⇒https://fanfunfukuoka.com/people/2890/

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