世界遺産候補「沖ノ島」の宝が九州国立博物館へ集結!特別展開催中

「神宿る島」として古代から国の安寧を願い、祈りがささげられてきた福岡県宗像市の沖ノ島。多くの神宝が発掘されたことから「海の正倉院」とも呼ばれ、世界遺産登録の期待も高まる神秘の島に迫る特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」が、九州国立博物館で開催中です。3月5日まで。

「神宿る島」「海の正倉院」-。

こんな風にいわれているのを聞くと誰しも行ってみたくなりますが、そう簡単に行くことはできません。まず、女人禁制です。はっきりとした理由は分かりませんが、一説には、宗像三女神の田心姫神(たごりひめのかみ)という女性の神をまつっていて、神が嫉妬するからだそうです。

では、男性は簡単に入れるのか、というとそうでもないようです。一般の男性は年に一回上陸できる日があるようですが(しかも抽選で約200名限定)、全裸になって海でみそぎをするほか、植物や石など「一木一草一石(いちぼくいっそういっせき)たりとも持ち出してはならない」という厳しい掟があるそうです。

今回の展覧会は、そんな神秘的な島の歴史と息吹きが肌で感じられる絶好の機会。沖ノ島には上陸できなくても、博物館で島で出土した貴重な宝物の数々を間近で見られるチャンスです!そこで、さっそく「きゅーはく女子考古部」部員と一緒に行ってみました。

古代衣装「貫頭衣」をまとっていざ展覧会へ!

古代衣装「貫頭衣」をまとっていざ展覧会へ!

案内してくれたのは、担当学芸員さんとオオミズナギドリのドリー。ドリーは、沖ノ島在住の鳥で、イラストではいかにも飛んでいるような様子に見えますが、実はこの鳥、自分から飛び立つことが苦手だそうです。

さて、宗像・沖ノ島は、九州と朝鮮半島を結ぶ位置にあり、「古事記」「日本書紀」にも「沖津宮(おきつぐう)」と記されている由緒ある社です。これまでに多くの神宝が発見され、いまでは8万点におよぶ貴重な宝物が国宝に指定されています。最初に書いたように、長い歴史にわたり、沖ノ島では厳格な掟が継承されてきたので古代の祭祀跡が手つかずのまま残されてきたのです。

【国宝】金銅製龍頭 福岡・沖ノ島5号祭祀遺跡 飛鳥-奈良時代・7-8世紀/宗像大社

【国宝】金銅製龍頭 福岡・沖ノ島5号祭祀遺跡 飛鳥-奈良時代・7-8世紀/宗像大社(1月29日まで展示)

 

【国宝】金銅製高機 福岡・伝沖ノ島 奈良-平安時代・8-9世紀 宗像大社

【国宝】金銅製高機 福岡・伝沖ノ島 奈良-平安時代・8-9世紀 宗像大社

今回の展覧会では、沖ノ島をはじめ、大和朝廷があった奈良県や交流があった韓国の、海路で結ばれた大和・筑紫・韓国の各地の出土品約160件を展示。考古学や歴史的な背景を知らないとその価値や素晴らしさが分かりにくい場合がありますが、展示されている中には、光り輝く古墳時代の指輪(1月31日から展示)をはじめ、耳飾や勾玉など今の時代でも十分に美しいと感じられるものが少なくありません。

考古学に興味津々の部員たちは熱心に展示品を鑑賞。当時の人たちの暮らしぶりや文化に思いをはせながらじっくりと展示品を眺めていました。中でも、部員たちのテンションが上がったのが「埴輪」の展示。埴輪の表情や格好から当時の人たちの生活が垣間見えるような気がします。

犬形埴輪 大阪・昼神車塚古墳 古墳時代・6世紀 高槻市教育委員会

犬形埴輪 大阪・昼神車塚古墳 古墳時代・6世紀 高槻市教育委員会

 

椅子に座る男子形埴輪 奈良県三宅町 石見遺跡 古墳時代 6世紀 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館

ちなみに、石に人の顔が描かれたこんなものもありました。こちら(↓)は一部分のようですが、全体像は、石の上にある江戸時代の記録のように両手を挙げている人が描かれていたそうです。

石人 福岡・岩戸山古墳 古墳時代・6世紀 久留米市教育委員会

【福岡県指定】 石人 福岡・岩戸山古墳 古墳時代・6世紀 久留米市教育委員会

そのほかにも、日本神話が分かりやすく描かれていたり、沖ノ島の様子が映像で楽しめたりと、「神宿る島」の魅力が堪能できる企画となっていました。

これからの季節、太宰府天満宮では梅の花が咲きはじめ、見ごろを迎えます。太宰府へ訪れた際はぜひ九州国立博物館へ。世界が注目する人類の遺産をお見逃しなく!

九州国立博物館 | 特別展『宗像・沖ノ島と大和朝廷』

http://www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s46.html

※情報は2017.1.25時点のものです

九州国立博物館

住所福岡県太宰府市石坂4-7-2
TEL050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
URLhttp://www.kyuhaku.jp/

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