【方言ぽっこり】ばってん=But then?

 

 

 

「なんちやこんちやれんもちやー!」

 

幼い日の記憶。

これが結局何を意味していたのか、今となってはもう分からない…。

 

 

 

ばってん荒川さん、福岡に住んでいた頃は、テレビでよくお見かけしておりました。

もうだいぶ前になりますが、お亡くなりになったニュースを聞いたときは、寂しく感じたものです。

若い人は、もうこの人のことを知らないのかなあ。

 

彼の芸名にもなっている「ばってん」。

ご存知のように、「だがしかし」という反語を示す方言です。

福岡のみならず、九州全土で広く遣われています。

 

この「ばってん」。由来にとある疑惑があります。

 

 

ばってんの由来は、「But then」という英語だった?!

 

 

というものです。

 

長崎のカステラやバッテラの由来がポルトガル語だというのは有名ですね。

かの地は日本が鎖国をしていた時代、数少ない外国に開かれていた港の一つ、出島がありましたから、外来の文化が溶け込むのも理解できます。

けれど、それ以外で、しかも英語が方言に溶け込むまでになる時代があったとしたら、これは一大事です。

 

でも、調べればあっさりと、英語由来説は誤りだと分かります。

「ばってん」の本当の由来は、「さらばとて/ならばとて」という、反語を表す古語ですから、どうかお間違えのないように。

 

ただ、間違っているからと言って「But then」を無下にしてもつまらないなあ…。

意味が通じて響きも似ている英語がある、なんて偶然、そうそうありませんから。

 

間違っていると分かった今、わざと、「But then」を遣ってみるのはいかがでしょうか。

何となく英語を話している気分になれて、お得ですよ?

相手にしたら、「この人なんか今、どや顔で噛んだ?」と思われて終わる、そんな小さないたずら。

今度帰省したら、ぜひやってみようと思います!

 

けれど本来の由来の方も、捨てがたい。

 

「明日うちに遊びに来る?」

 

と問われて、

 

「Hmm…But then、あんたの家知らんもん。」

 

と返すのか、

 

「うーん、、、さらばとて、あんたの家知らんもん。いとをかし。」

 

と返すのか。

悩ましいところです。

そして逆に、海外に行ったときに、「But then」を遣うタイミングで、「ばってん」を遣って、方言を海外デビューさせることも夢ではない!

 

 

ただし、繰り返しますが、「But then」は、間違った由来ですからね。

もし信じている人がいたら、教えてあげてください。

 

「But then、それは間違っとるよ。」と。

 

 

【隔週月曜日更新】

次は、5月12日ばい!

※情報は2014.4.28時点のものです

久保田美栄

1982年生まれ。福岡県うきは市出身。高校卒業後、上京。
在京13年を経て、筑後弁と標準語を使い分ける『方言バイリンガル』に。
現在は、東京にて映像制作の仕事に就く。

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