日本神話×沖ノ島展(3)-神まつりには清らかな水が不可欠

九州国立博物館で開催中の特別展「宗像・沖ノ島と大和朝廷」の見どころを日本神話のエピソードとともに紹介するシリーズ「日本神話×沖ノ島展」。第3回目のテーマは「天の真名井」です。

黄泉の国にいる母、イザナミノミコトに会いたいと思ったスサノオノミコト。姉のアマテラスオオミカミに旅立ちの挨拶をするため、高天原(たかまがはら)を訪れます。

弟が高天原に攻めててきた、と誤解したアマテラスオオミカミは、よろいを身にまとい男装してスサノオノミコトを迎えます。

疑いを晴らすため、スサノオノミコトは誓約(うけい)*を立てて​潔白を明らかにしようとしますが…。

*誓約(うけい):神に誓いを立てて祈り、神意によって吉凶黒白を占うこと。

アマテラスオオミカミは、スサノオノミコト十握の剣(とつかのつるぎ)を「天の真名井」から湧き出る清水ですすぎ、カリカリとかんで霧を噴き出し、三柱の女神をお産みになられた。

スサノオノミコトは、アマテラスオオミカミを、「天の真名井」から湧き出る清水ですすぎ、カリカリとかんで霧を噴き出し、五柱の男神をお産みになられた。

その後、アマテラスオオミカミは三柱の女神を海路(かいろ)におかれ、歴代の天皇をお助けするようにと命じられた。三柱の女神は、筑紫(つくし)の宗像君(むなかたのきみ)らが祀(まつ)る神となられた。

『日本書紀』巻第一より


 お互いの を交換した二人の神は、天の真名井の清水ですすいでから誓約を立てます。清らかな水 が神まつりには不可欠なのです。

古代の人々も、水辺での神まつりを行っていました。

作品No.59 導水施設形埴輪
大阪・狼塚古墳 古墳時代・5世紀 藤井寺市教育委員会

作品No.59 導水施設形埴輪
大阪・狼塚古墳 古墳時代・5世紀 藤井寺市教育委員会

この不思議な形の埴輪は、「導水施設形埴輪」と呼ばれています。

神まつりを行う水の祭祀場を埴輪にしたものですが、柵の内側の玉砂利の上に「木樋」の埴輪が置かれているのが分かりますか?

木樋とは、上流から水を流す際に砂粒を沈殿させる濾過装置で、清らかな水を作り出すものです。

 ★会場では日本最古級、長さ4mの木樋を展示中です!!この機会にぜひご覧下さい! 

このような水の祭祀場の遺構は畿内を中心に発見されていて、北部九州にも見られます。

祭祀場の周りからは、や祭祀具であるミニチュアの武器などが発見されていて、清らかな水を囲んで神まつりが行われていた様子が分かります。

作品No.65 琴 奈良・南郷大東遺跡
古墳時代・5世紀 藤井寺市教育委員会

作品No.65 琴 奈良・南郷大東遺跡
古墳時代・5世紀 藤井寺市教育委員会

「古事記」「日本書紀」には誓約以外にも水に関わる神まつりについていくつものエピソードが描かれています。

神話の世界と古墳時代 とのつながりを感じさせますね。

※九州国立博物館のブログで特別展情報を続々発信中!こちらも要チェック♪

特別展「宗像・ 沖ノ島と大和朝廷」

■開催日

2017年1月1日(日・祝)〜3月5日(日)

※休館日:毎週月曜日

■料金

一般/1500円、高大生/1000円、小中生/600円

■お問い合わせ

九州国立博物館

ハローダイヤル 050-5542-8600(8:00〜10:00/年中無休)

http://www.kyuhaku.jp

※情報は2017.2.13時点のものです

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