半身不随の弁護士&小説家が社会人生活を再開!「トレイン、トレイン、電車でGO」vol.4

42歳、半身不随の弁護士&小説家がいよいよ社会人生活を再開する!

車椅子には「LOCK’n’ROLL」

弁護士であり、小説家としても活躍する法坂一広さんは、脳出血で倒れて半身不随となってしまう。

退院後、社会復帰を果たした法坂さんを待ち受けていたのは・・・

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vol.4/トレイン、トレイン、電車でGO

病気してから妙に遠方の仕事が舞い込むようになり、久留米や柳川、佐世保などへ出かけるようになりました。こんな状態でも依頼があるのはありがたいです。

受任してしばらくは書面のやり取りでいいのですが、裁判を起こすと一度は出廷しないといけないわけで。退院して半年過ぎた頃には電車に乗って柳川の裁判所へGOでした。

電車デビューとなった5月のこの日は、よりによって大雨でダイヤが乱れ、電車が30分ほど遅れる事態に。こちらは余裕を持って出ているから問題ないんですが、少しでも遅れを取り戻そうと、鉄道関係者みんなが殺気立っているように感じます。だいたい、いつも駅で止まってドアが開くと同時に「扉が閉まります」なんてアナウンス、この足でどうやって降りろというのでしょう。普段よりも停車時間が短く思えます。

車内ではこんな会話が聞こえてきました。「乗客が30秒でも遅れると、電車は待ってくれんのに、電車は30分も遅れよる」。いや、いらないこと言わないで。運転士さんを焦らせてこれ以上停車時間が短くなったら、降りられなくなるじゃないですか。

裁判所での仕事をこなし、本数の少ない特急に乗ろうとしていると、駅員さんが気付いてくれて、「乗りますか」なんて、待っていてくれました。いや、電車も待ってくれることあるんですよと、さっきのお客さんに教えてあげたい気分です。

終点の天神に着いて、終点だからと油断していたら折り返し運行だったらしく、意外と早くドアが閉まってしまい、また車掌さんが飛んできて、足まで使ってこじ開けてくれました。

電車デビューの珍道中。

トレイン、トレイン、見えない自由が欲しくて見えない銃を撃ちまくるのです。

 

Profile

法坂一広(ほうさか いっこう)

福岡市在住の弁護士、小説家。2011年に第10回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞し、弁護士探偵物語シリーズを執筆。2015年に脳出血で倒れ、翌16年に仕事を本格的に再開。「もう乗らない」と車椅子をLOCKして(鍵をかけて)、マラソン大会復帰を目指す。最新作は「ダーティ・ワーク」(幻冬舎文庫、2015年)、西日本新聞社「のぼろ」で連載中。

 

※情報は2017.5.26時点のものです

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