【水の町・佐賀】道を歩けば河童(かっぱ)に出会う

佐賀市は水の町です。

JR佐賀駅を出て、南口からひたすらまっすぐ歩いていくと、20分ほどで見事な、大きなお堀端に出ますが、とんさん(殿様)恵比須のいらっしゃる松原神社の周りも、ぐるりと川が流れている。これを松原川といいます。

先日、98歳で他界した祖父はこのあたりで生まれ育ちましたが、「自分が子供の頃は、あの川を舟が通っていた」と言っていたそうです。

左手が松原神社、右手は長崎街道のあった柳町、その間を松原川が大通りに出るまで流れている。

左手が松原神社、右手は長崎街道のあった柳町、その間を松原川が大通りに出るまで流れている。

松原神社を出て、水に添って歩いていくと、さすがにもう舟は通っていないものの、川のところどころに「かっぱ」がいます。

もしかして、独り者のかっぱくん…? 座っている石の形や苔むし方がなかなか風情があります。

もしかして、独り者のかっぱくん…? 座っている石の形や苔むし方がなかなか風情があります。

なぜ、かっぱ……? 聞けば、30年近く前からいるそうです。

もうちょっと行くと、家族のかっぱがいて(かっぱのそばにはそれぞれ、説明書きが書いてある)、手前の岸でお母さんと子供が仲むつまじそうにしているのに、お父さんのかっぱは川の向こう岸に近い、はなれた場所に一人ぽつんといます。

母子はこちらの川岸で二人仲良く……。

母子はこちらの川岸で二人仲良く……。

お父さんは向こう岸の近くで孤独に、木につかまって……。

お父さんは向こう岸の近くで孤独に、木につかまって……。

この家族に一体、何があったのか……?

家族のかっぱを横に見ながら、もう少し行くと、とつぜん、にゅっと不思議なポーズの少年のかっぱ(だんだん、かっぱの歳が見分けられるようになってきます)が現れました。

お皿に書いてある立て札を読むと、かっぱと「握手してください」と書いてあります。水が出ると。

道行く人がみな振り返る不思議なポーズの少年かっぱ。「ねえ、僕とあそぼうよ〜」

道行く人がみな振り返る不思議なポーズの少年かっぱ。「ねえ、僕とあそぼうよ〜」

「ふん、だまされないぞ…と思って、握手はしないで、かっぱの右手の中央にある不審なボタンを、人さし指でプッシュしました。

右手の真ん中のボタンがあやしい……。

右手の真ん中のボタンがあやしい……。

さあ、どこから水が出てくる……? かっぱの頭のお皿か? 

それとも、背中か?

と思ったら、いきなり、後ろの太鼓橋の中央からババババアーーーーーッと、水が勢いよく噴き出てきました。橋のこちら側とむこう側の両方に……。

えーっ、何だ、これは? しかも、結構、長い間、水が出続けます……おかげで写真が撮れましたが、何のために橋から水が出る……?

かっぱの後ろの橋のまんなかから、突如、水がすごい勢いで。意表をつかれる展開!

かっぱの後ろの橋のまんなかから、突如、水がすごい勢いで。意表をつかれる展開!

これはもし周りに人がいたら、水が止まるまで、どんな顔していたらいいのか、立ち去るのもどうかと思いますし、ちょっとわけのわからない展開です(あとで聞いたところによると、これは子供たちに人気のかっぱで、人がこのかっぱと握手している横を通ると、水しぶきで濡れるそう。30年ほど前からあるので、佐賀の人たちはみな知っているそうです)。

そう思いはしたものの、梅雨どきの午後、人の行き来はあまりないので、そう恥ずかしい思いもせず、また歩き出すと、こんどは水を両手ですくうようなしぐさの女の子のかっぱがいました。

女の子のかっぱ、みどりちゃんはその名の通り、緑に囲まれて、松原川の水を飲む。

女の子のかっぱ、みどりちゃんはその名の通り、緑に囲まれて、松原川の水を飲む。

「みどりちゃん」という名前だそうです。

私もそうですが、かっぱのいる川べりで会った人たちは、みな一人でした。一人でも、かっぱがいれば淋しくない。雨の日の佐賀さんぽは、かっぱたちと出会えます……。                          

※次回は、かっぱ篇2、佐賀の神様・松原神社の河童社(かわそうしゃ)をたずねます。

【取材・文】

佐賀市シティプロモーション室

樋渡 優子

「佐賀でかっぱに会える川・松原川」

「佐賀市観光協会公式サイト『さがばいドットコム』」

 

※情報は2017.6.30時点のものです

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