半身不随の弁護士&小説家が社会人生活を再開!「ポンチョ日和でも歩くゼ、イッツマイライフ」vol.7

42歳、半身不随の弁護士&小説家がいよいよ社会人生活を再開する!

車椅子には「LOCK’n’ROLL」

弁護士であり、小説家としても活躍する法坂一広さんは、脳出血で倒れて半身不随となってしまう。

退院後、社会復帰を果たした法坂さんを待ち受けていたのは・・・

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車椅子には「LOCK’n’ROLL」

 

vol.7/ポンチョ日和でも歩くゼ、イッツマイライフ

雨の季節ですね。こういう状態になると困るのが、右手は杖、左手は麻痺で傘がさせないということ。車椅子のときはもっと苦労しましたけどね。傘をさしても合羽を着ても雨が浸みてきます。

濡れねずみで歩いていたら、一度コンビニの店員さんに「ビニール傘を持っていきませんか」なんて声をかけてもらいました。雨だけでなく親切まで心に染みる瞬間でしたが、傘がさせません。そう言うと恐縮されそうなので「すぐそこですから、他の方に」なんてかっこつけて。

親切と言えば、電車で年配の男性に席を譲ってもらったことがありました。しかし、電車が動いている間は僕が移動できず、そうこうしているうちに空けてもらった席に妙齢の女性が座ってしまうという事態に。年配男性と二人で立っていてバツの悪い妙な空気が流れました。「あれ、妊婦さんだと思うから」なんて慰めてくれるところまで、本当に親切な方でした。「今度は動けるようになっておきますから」と言って別れましたが、「今度は僕が席を譲ります」と言うべきでしたね。

さて、雨問題はいろいろ調べてもこれという対策もなし。しかし、社会復帰のためにはじっとしているわけにはいかない。

いざ歩くと、いろいろ問題はあって、普通のアスファルトならよくても大理石やらきれいなタイルやらは滑りやすくて困ったもの。段差解消のために設けてあるスロープに、わざわざお金かけてタイルを貼って滑りやすくするのもどうかと思いますね。モルタルのままがいちばんです。退院したころは危なかった点字ブロックの段差ですが、こうなると雨の日は滑りにくくて安全だと思えてくる。身勝手なものです。

傘問題では、とりあえず雨をよける一番確実な方法はポンチョ。しかし、ポンチョを用意したときに限って雨は降らない。雨を降らせないためのジンクスのようです。歩行訓練にはちょうどいい。サウナスーツになるし。これがオレの生きざま、イッツマイライフ。もちろんボン・ジョビです。

 

Profile

法坂一広(ほうさか いっこう)

福岡市在住の弁護士、小説家。2011年に第10回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞し、弁護士探偵物語シリーズを執筆。2015年に脳出血で倒れ、翌16年に仕事を本格的に再開。「もう乗らない」と車椅子をLOCKして(鍵をかけて)、マラソン大会復帰を目指す。最新作は「ダーティ・ワーク」(幻冬舎文庫、2015年)、西日本新聞社「のぼろ」で連載中。

 

※情報は2017.7.13時点のものです

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