【中村裕子】「人生の底」に落ちたら失うものは何もない 一歩踏み出して

毎週火曜日、午前中の講義を終えて、学校の先生から「ラジオのパーソナリティー」になる。就職活動で希望し、散々な結果だった業界。約20年という月日を経て私は、マイクの前で夢をかなえ座っている。

番組名は「MOVE for NEXT」。一歩踏み出してという思いを込めてタイトルをつけた。この番組は主に女性ゲストを招いて、一歩踏み出したい女性に向けて発信している番組である。

女性の中には、結婚や出産、子育て、介護などでいったん、社会から離れてしまう人もいる。私自身、出産後、仕事復帰しようと思った直後に実母のがん、祖母の認知症という人生設計図のずっと先に予定していたことが訪れてしまった。慣れない子育て、闘病に苦しむ母、変わりゆく祖母、先の見えない介護、こんなはずではなかったとう不満。スーツを着てさっそうと歩く人が死ぬほどうらやましかった。「どうして、私が、こんな目に遭わなくてはいけないのか」と不満をぶつける場所すらない。そこで私はブログというツールで発信を始めた。私の人生が大きく動きだした瞬間だった。

明けない夜はない。朝はきっと来る。

明けない夜はない。朝はきっと来る。

多くゲストの共通点は、「人生の底」という時期に「失うものは何もない。とりあえずやってみよう」という思いで一歩を踏み出していることだ。人生の底から動きだすのだから、人の弱さや寂しさにも寄り添える。そして何より、説得力があるので共感が生まれる。暗いトンネルにも必ず出口はある。一筋の光があたったっときに人は、今まで以上の力で飛び立つことだってできる。だからこそ発信を続けたいし、リスナーには一歩踏み出すヒントにしてもらいたい。

from西日本新聞「わたし活性化計画」面

※情報は2014.6.14時点のものです

中村 裕子

アジア系航空会社を経て、各種専門学校・大学で就職セミナーや面接指導、英語の授業を担当。「コミュニティラジオ天神」で毎週火曜午後2時から、女性を応援する番組「MOVE for NEXT」のパーソナリティーを務める。

この記事もおすすめ