【N氏の観劇日記】心眼で観る美の世界――坂東玉三郎×鼓童『幽玄』

2017年9月4日(月)14:00開演
博多座9月公演『幽玄』

博多座9月公演は坂東玉三郎と鼓童によるコラボレーション作品『幽玄』。

4年前に上演された『アマテラス』に続く博多座でのコラボ第2弾は、「羽衣」「道成寺」「石橋」という能の名作を題材に、前回の “動” の世界と対角線上にある “静” の世界を描き出す。

現代技術を駆使した舞台装置や音響効果は極限までそぎ落とされ、能の世界観そのままに静謐な空気が舞台上に流れている。だからこそ、感性や人生経験に応じた、観る人ごとの物語がその心の中に映し出される。

和太鼓だけでなく、洋楽器であるドラムも織り交ぜながら演奏される鼓童のパフォーマンス、そして歌舞伎や日本舞踊という枠から飛び出したかのような斬新な振り付けからは、ジャズやダンスの要素を感じ、この舞台が国境を越えて全世界へと広がっていくイメージを容易に抱くことができる。

後年、日本の舞台芸術史を振り返ったとき、“一つの分岐点” ないしは “一つのジャンルの誕生” として記される記念すべき作品になるだろう。

“真実のように見える嘘” や “ゆがめられた真実” がはびこる現代において、“目に見えない真実” があるということ、そしてこの日本という国が “心の眼で観る美” を大切に育ててきた国だということを教えてくれる作品に出会った。

客席2階ロビーに展示されている歌舞伎十八番の一つ「暫(しばらく)」を題材にとった博多人形。

館内にはアジアの現代アート作品も展示されている。

Produced by 福博ツナグ文藝社

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※情報は2017.9.12時点のものです

博多座

住所福岡市博多区下川端町2-1
TEL092-263-5858
URLhttp://www.hakataza.co.jp/

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AKASAKA BOY

謎のライター

1978年福岡市赤坂生まれ。福岡の街の魅力を小説形式で発信中☆

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