半身不随の弁護士&小説家が社会人生活を再開!「アイラブユー、オーケー」最終回

42歳、半身不随の弁護士&小説家がいよいよ社会人生活を再開する!

車椅子には「LOCK’n’ROLL」

弁護士であり、小説家としても活躍する法坂一広さんは、脳出血で倒れて半身不随となってしまう。

退院後、社会復帰を果たした法坂さんを待ち受けていたのは・・・

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病床ROCK尺

車椅子には「LOCK’n’ROLL」

 

最終回/アイラブユー、オーケー

1年半にわたって連載させていただいた闘病リハビリコラムですが、今回で終了となります。ネタはまだまだありますので、アンコールも受け付けます。ほとぼりの冷めた頃にスペシャル版で復活もありかな。

途中、感想もたくさん送っていただいて、ありがとうございました。皆さんに前向きだと評されているのが少し不思議な感じです。前向きな言葉なんて一つも書いてはいないんですけどね。僕個人の考えとしては、自分にも人にも優しく。自分に対して「こうでなければ」という強い呪縛はありません。前向きでなければ、というポジティブな呪縛もないし、どこかで集めてきた前向きな言葉を並べ、自分を奮い立たせるのも苦手。落ち込んだっていい、後ろが無くなれば前を向くしかない、という考えです。

人は誰も報われない努力はしたくないもの。でも、僕はあまり先のことは考えてません。司法試験も、マラソンも、小説もリハビリもそうなのかもしれませんね。根拠のない自信みたいなものを勝手に持っているようです。

書くという行為が支えになっていた面はあります。これは後から知ったのですが、矢沢永吉さんが知人に裏切られて負債を抱えて大変だった時期、「これはスターヤザワに襲い掛かった悲劇。どこまで落ちるか」とドラマでも見るかのように客観視して乗り切ったのだそうです。僕はそこまで達観できないので、ひどいことが起きても「これをネタに書いてやろう。どう構成し、展開し、オチを付けるか」なんて考えてるうちに、自然と自分に距離をとって客観視して、落ち着くことができていたのだと思います。できたら愚痴ではなく、人が読んでくすっと笑える話を書きたいですからね。その姿勢が前向きに見えたのかもしれません。

ということで、苦しいことを抱えている方は文章を書くことをお勧めします。それが法的紛争であれば、証拠になるかもしれませんしね。最後に読者の皆さん、アイラブユー、オーケー。

 

Profile

法坂一広(ほうさか いっこう)

福岡市在住の弁護士、小説家。2011年に第10回「このミステリーがすごい!」大賞の大賞を受賞し、弁護士探偵物語シリーズを執筆。2015年に脳出血で倒れ、翌16年に仕事を本格的に再開。「もう乗らない」と車椅子をLOCKして(鍵をかけて)、マラソン大会復帰を目指す。最新作は「ダーティ・ワーク」(幻冬舎文庫、2015年)、西日本新聞社「のぼろ」で連載中。

 

※情報は2017.9.21時点のものです

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