大正時代から続くカツ丼とアイスキャンディー【かどや食堂】

美野島商店街の一画、ファンが多い「かどや食堂」

美野島商店街の一画にある「かどや食堂」

 創業は1920(大正9)年。美野島が「箕島」と呼ばれていた頃から続く「かどや食堂」(福岡市博多区)。初代店主の中村竹次郎さんが丼物やうどん、そばを提供する町の食堂としてスタートしました。

“昭和の食堂”感が漂う店内

“昭和の食堂”感が漂う店内

 戦後に建て替えられた家屋が今も残り、現在は4代目の浜脇慶太郎さんが切り盛りしています。「叔母が言うには、戦後は近くに映画館もあって、映画帰りのお客さんでにぎわったていたそうです。その当時の博多区では、この美野島商店街にすごく人が集まっていたらしいですよ」と慶太郎さん。

時代を感じる椅子やテーブル

戦後オリジナルで作ったという、時代を感じる椅子やテーブル

浜脇慶太郎さん

うどんそばの麺とつゆ、惣菜パンなども店頭に並びます。写真は店主の浜脇慶太郎さん

 かどやの一番人気は「かつ丼」(みそ汁付き、税込み490円)。国産の豚ロースをからりと揚げ、卵でふんわりとじてご飯の上に。みりんの効いた甘めのつゆの味は、レシピなど残っておらず、初代から伝わる家庭の味を「先代を見て覚えてきた」(浜脇さん)そうです。

甘めのつゆとふんわり卵の「かつ丼」(490円)

甘めのつゆとふんわり卵の「かつ丼」(みそ汁付き、490円)

 一方、夏に欠かせない名物といえば「アイスキャンディー」(1本50円)。これも創業当時から変わらない味で、最初は5円から始まり、現在でもこの破格の値段です。例年、5月の大型連休明けから11月上旬までが販売期間。期間中は、毎日仕込んでいるそうです。

アイスの販売は11月上旬まで

名物アイスキャンディーの販売は11月上旬まで

 材料を空冷式の機械でかくはんするシンプルな製法。乳化剤や保存料などの添加物は使用せず、素材の味を生かしたフレッシュなおいしさを追求しています。この味を目当てに、毎年夏を楽しみにしている常連客が多いのもうなずけます。

 現在、「あずき」「ミルク」「抹茶」「オレンジ」「パイン」「コーヒー」の6種類を販売。「オレンジ」は親せきのミカン農家から直送されるミカンを手搾りした、爽やかな風味。「抹茶」は京都の有名茶園の高級抹茶を惜しみなく使った濃厚な味。「あずき」は北海道産小豆を粒感を残して炊いていて、風味も食べごたえも十分。それぞれ、素材のこだわりと個性が際立っています。

素材にこだわった昔ながらの味

昔ながらの製法で素材にこだわった名物

 「材料の高騰で作れなくなった白花豆味と果肉がたっぷりのイチゴ味は、いまだにお客さんに『値上げしていいから復刻して』と言われます」と慶太郎さんは笑います。

 取材中もアイスキャンディーをまとめ買いする人がひっきりなしに訪れる人気ぶり。保冷バッグに保冷剤を入れて持参し、持ち帰るまで溶けないように工夫している人が多いそうです。

アイスキャンディーのファンが次々に訪れていました

アイスキャンディーのファンが次々に訪れていました

 変わらないおいしさの「かつ丼」、「アイスキャンディー」を目当てに訪れてみませんか。

【老舗のこだわり】
◆大正時代に創業した初代の味を受け継いでいます
◆揚げ物は注文を受けてから揚げるのでアツアツ
◆昔ながらのアイスキャンディーは原材料も厳選

かどや食堂
住所:福岡市博多区美野島1-12-9
電話:092-451-4653
営業:11:30~17:00(アイスキャンディー販売は9:00~19:00)
日曜、祝日休

※情報は2019.7.25時点のものです

かどや食堂

住所福岡市博多区美野島1-12-9
TEL092-451-4653

ヨシダアキコ

ライター歴四半世紀超え。3度の飯より旅が好き! リュック背負って訪問したのは31の国と地域。この10年は台湾にハマり、年に数回のペースで現地へ。あろうことか福岡より台湾の新情報のほうが詳しくなりつつある日々(反省中)

この記事もおすすめ