カレーほーろー記 第4回 ~中華カレーの魔力~中洲の王餃子を紹介

 四半世紀ほど前、自宅に会社の同僚などを招いて、先輩と私の「カレー対決」をしました。二人でそれぞれ作ったカレーを、他の人に食べ比べて審査投票してもらい、勝負を決めました。

 結果、僅差で負けたのですが、その時に私が作ったのが、「中華カレー」でした。

 中華カレー、なんじゃそれ?という人も多いと思います。とくに定義があるわけじゃないですけど、ざくっといえば、チンジャオロースとか八宝菜にカレー粉が入った感じでしょうか。

 よく覚えてないですが、その時は、大きな中華鍋で豚こま、玉ねぎ、ピーマン、シナチクを痛め、塩コショウ、中華だしの素で味を付け、片栗粉を溶いた水でとろみをつけて仕上げた、ってとこです。

 私を負かした先輩が、サフランライスなる当時珍しい見た目のインパクトもあり、ポイントを稼いだわけですが、中華カレーもそれなりの評価はしてもらいました。

 

 これは、福岡、博多ののんべえの間ではかなり有名な「王(ワン)餃子」の中華カレーです。かの九州随一の盛り場・中洲の「人形町通り」にあり、飲みのシメに立ち寄るための、夜しかやってないお店です。

 このカレー、私が見てきた限り、頼んでる人あんまり見かけません。だいたい福岡では珍しい醤油ラーメンとか、店の名前にもあるひとくちタイプの餃子でビール飲んでる人が多いです。

 先週、会合終了後わざわざ久しぶりに行き、食べてみました。具をあらためてチェックすると、豚肉、玉ねぎ、にんじんに加え、もやしが入ってました。前から入ってたかなあ。

 作る人の手際が良く、注文してから出来るまで数分です。普通のカレーと違って煮込まない「炒め料理」なので、あっちゅうまに出てきます。

 ここで、次から次に料理をさばき、酔客の胃袋を満たしていきます。忙しいのに、ピリピリせず余裕でやってる感じが心地良いです。

 「ザ・街の中華」です。

 こーゆー業務用のどでかい調味料が無造作に置いてあるところが、食欲をかきたてます。

 う~ん。昭和39年といえば、西暦では1964年。前の東京五輪の年からやってんですね。ここのしょう油ラーメンも私好きですが、連れていった関東の人からの反応はイマイチでした。

 メニュー、多彩です。東京在住でグルメを自他ともに認める知人は月イチくらいで福岡に出張してきます。この王餃子にも何度か訪れたものの、中華カレーを食べたことはない、というので一度お連れしました。

 食通の彼も、「これは知らなかった。こんなウマいものがあるのか!」と中華カレーを絶賛し、私も面目を施しましたが、その彼が「作るとき、めちゃめちゃ砂糖入れてましたよね」と驚いてました。私は全く気づきませんでしたが、その砂糖が美味のヒミツなのでしょうか。それほど甘さは気になりませんが。

 今宵もまた、大勢の「最後シメましょう」の人たちを迎え入れることでしょう。中華カレー、一度試してほしいなあ。

 孤独のグルメ、以前特番の「博多編」がありましたが、次の機会あれば、井之頭五郎さんに是非、王餃子の中華カレー、食して欲しいです。

 やはり、中洲は夜の街、昼間の王餃子も店を閉じ、ひっそりとしています。

 こちらは、近所のそば屋「薮」。カレー関係ないですが、そば屋なのに、深夜2時なのに、9割の客が「シメのかつ丼」を食っている、という不思議な聖地です。昼は、やはり閉まっています。

 

 さて、中華カレー、東京では六本木の「香妃園」が有名です。ここは、ポークとビーフ両方あって選べるみたいですね。どちらも千円はするようで、なかなかのお値段ではあります。

 2回ほど行きましたが、このタイプのカレーは、酔っぱらって食べた方が、旨さが増すような気がします。まさに、気のせいかもしれませんが。

 中華カレーは、家でも簡単、迅速に作れるんで、時間の無い時や、すぐにでもカレーが食べたい時は、オススメです。肉、野菜を炒めて、調味料で味つけ、水を入れ煮立て、片栗粉か小麦粉でとろみをつければ完成です。調味料は、上の写真の味覇(ウェイパー)とか創味シャンタンがあれば、十分。余裕のある人は、鶏ガラでダシを取れば、なお良いと思います。

 入れる野菜、中華カレーに向いてるのは、中華に使いそうな食材、玉ねぎ、にんじん、ピーマン、たけのこ、しいたけ、もやし、白菜あたりでしょうか。

 王餃子の写真みたいに、中華皿に盛り、レンゲでいただくと、雰囲気が出ます。

 ところで、冒頭のカレー対決にはオチがあります。

 「審査員」の中に、「春日ロッジ」という地元のインドカリーの草分け的存在のお店が実家の後輩が来てて、お土産にチキンカリーとかビーフカリーのルーをパック詰めして持ってきてました。最後にそれを食した一同、「うん、やっぱプロの味が一番旨いな」と無情な一言。対決した二人のテンションは一気に下がりました。

 

※情報は2017.3.29時点のものです

久留仁 譲二(くるに・じょうじ)

 カレーを食べて半世紀。食べるのも、つくるのも、関連本を読むのも、レシピ番組を見るのも大好き。「家のごたる」タイプから激辛インド風まで万能に食べこなす。

 でも、パクチーは苦手。

カレーに限らず、子どもの頃の味覚から抜けられない。ハンバーグ、卵焼きからも離れられない。

アラジンの魔法のランプみたいな容器からカレーをごはんにかけるのが夢だったが、家では一度もやったこと無し。

ジョージ・クルーニーと同い年。

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