女たちの饗宴vol.7-未来予想図

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未来を予測する最良の方法は、未来を創ることだ。未来を予測しようとすると罠にはまる

ピーター・ドラッカー

 

未来のことは誰にも分からないことだけれど、「こうしたい」「こうありたい」と強く思い、行動につなげていけば、「未来予想図」は現実になる。DREAMS COME TRUEの「未来予想図Ⅱ」の歌詞「ずっと心に描く 未来予想図は ほら思った通りに かなえられてく」のように…。

大人の女性たちが集まり、哲学的考察を深めていく「女たちの饗宴」。

7回目の「女たちの饗宴」のテーマは「未来予想図」。まっすぐに未来を見つめ、前向きに生きていく女性たちが描く「未来の自分」とは―。

 

中村裕子さん

「今の若い人たちの中には(自分が歩んでいく人生の)道がレール上にあって、その道をどう上手に歩んでいくかを考えている人が少なくありません。でも、私たちの時代はまだチャレンジ精神というか、人生にアドベンチャーを求めていた、有刺鉄線がたとえあっても、それを越えていくんだ!って少なくとも私は思ってたな(笑)」

 

「飛べるのに飛ばないノミの話がありますよね。密閉した入れ物の中にノミを入れると、最初は抜け出そうとジャンプを繰り返すけれど、そのうちあきらめて、ふたを外してもそれ以上、飛び上がろうとしないって。それに似ていて、自分の人生に対して自分自身でふたをかぶせてしまって、それ以上、飛ぼうとしないというか…。時代の影響もあるんでしょうが…」

 

 

 

森本好香さん

「私には、学生時代とくに夢はありませんでした。私は(ホークスの公式ダンスチーム)ハニーズに所属していたことがありますが、そのとき一緒だった子たちは、女優になりたい!モデルになりたい!という夢を持っているなか、私ははっきりとした自分の将来像が描けないで、ただ楽しく踊っていただけでした(笑)」

 

「その後、結婚して、出産して、生まれた子どもに難聴の障がいがあることが分かって…。現実のいろいろなことに押しつぶされそうな思いになって、ふさぎこもっていたこともありました。外に出ないので、当然、友だちもできないし、いつの間にか自分自身も体調を崩してしまって。そんなとき、たまたま飛び込んだ子育て支援センターで赤ちゃんと抱っこで楽しく踊るベビーダンスのポスターが目に入ったんです。そうだ、私は踊りが好きだったんだ、って思いだした瞬間でした」

 

 

 

「ふさぎ込んでいた生活から再び明るい世界に戻ってきたのは、去年の夏。ベビーダンスのインストラクター養成講座を受け、昨年9月から東京でベビーダンスインストラクターとして活動し、今年の4月から福岡で活動しています」

「自分にこんな未来が待っていたなんて、10代のころは思いもしなかった。でも、今では使命なのかな、と思う。障がい児を育てているというだけで『偉いね』と声をかけられることがあるけれど、そんなことない。障がいがあってもなくても、子どもを育てることは本当に大変なこと。そして、子育てを通じてたくさんのことを教えられる。今の私が毎日を楽しく、明るく過ごせるのは、息子と、(同じくインストラクターの資格を取得した)夫のおかげだと思います」

※森本さんは今夏、大丸・パサージュ広場で行われた「笑顔で働きたいママのフェスタin福岡」で、福岡代表に選出。12/2、東京で開催される全国大会に出場する。11/29までWEBサイトで応援投票ができます⇒http://powerwomen.jp/contest/kiyoki.cgi/

 

 

寺島みちこさん

 

「私の子ども時代は、『夢があるから、それを実現させるために勉強する』という姿勢だったと思うけれど、今の子どもたちを見ているととにかく忙しそうで『夢を持つ時間(考える時間)』ってあるのかな、と思う」

 

「先日、阿部博美さんと一緒に一般社団法人クチコミュニティ・マーケティング協会を立ち上げました。マーケティングと一言でいっても、その守備範囲は広い。今後は、企業と消費者の声がマッチングする場づくりをしたい。地域の女性たちの声を中心に、それを企業や地域おこしにどうつなげられるのかを考えていきたい」

 

「プライベートでは、早く子どもたちを自立させて、元気な働き手として世の中に送り出したい。そのあと、世界一周の旅に飛び立ちたい(笑)」

 

 

 

 

 

須藤美香さん

須藤美香さん

「これまでを振り返ってみても、『未来予想図』なんて持ったことなかったな。私は茨城県出身で、5年前に夫の転勤で福岡に来ました。そんな私が、たとえば7年前の自分に『7年後は福岡でいろんな人と出会って、いろんな活動に励んでいるだよ』と言っても、たぶん、信じない(笑)」

 

「人って、自分が経験している『今』のところからしか未来予想図を描けないと思う。でも、未来は『今』の自分が描くより、もっと変化があって予測不可能なもの。それが面白いところでもあるんだけど。遠くの未来を描くことは無理だけど、直近の未来、『今の自分をどうしたいか』『どういう自分でありたいか』を考えることは大事だと思う」

 

 

 

 

 

中村裕子さん

「私は大学を卒業後、無職だったことがあります。就職試験に対する自分の考えがすごく甘くて、就職先が見つからなかった。卒業後は、ワーキングホリデーのビザを取得し、特に目標がないままオーストラリアに行った。当時、お笑いコンビ『猿岩石』のヒッチハイク番組が流行っていて、エアーズロックに行ったらネタになるかな、と思って(笑)」

 

「でも、当たり前だけど簡単にはいかなかった。お金を持っている人は飛行機でエアーズロックまで行けるのに、貧乏な私はヒッチハイクの旅。歯磨き粉を食べて1週間をしのいだこともあります(笑)。その時、お金のありがたさに気付いたんです。それで、キャビンアテンダント(CA)になろう、という目標ができてマレーシア航空に入社しました」

 

「その後、国際線フライトの中で教育をまだ普通に受けれない国などを目の当たりにして、見聞を広める中で、教育の大切さを痛感し、教育者になりたいと思った。現在は、福岡県内で大学の講師として勤めていますが、自分の未来予想図を描くとすれば…、東南アジアに戻りたい!そして、福岡とアジアの交流や福岡の情報を海外へ発信するといった国際的な仕事をしたい!自分だけでなく、学生たちにもそういう人たちをどんどん増やしていきたいですね」

 

阿部博美さん

阿部博美さん

 

 

「人生はあんまり計算しすぎると、計画が狂った時に巻き返せないと思う。成功者であってもどん底があったりするし、点で見るのではなく、俯瞰して見ることが大事。波が大きいか小さいかではどちらも同じなことで、羨ましがり過ぎないことが大事なんだと思う。どんなにいいことがあっても、悪いことが起きても、ずっと続くわけではない。それが人生だし、波があるからこそ生きていて面白いんだと思う

 

「70歳くらいになったら、カウンセリングババーとして小料理屋などしてみたいな(笑)。若い人たちから高齢者まで、いろんな人が集えて話を楽しめる場を提供したい」

 

 

 

【編集メモ】

今回は、「未来予想図」から少し外れた会話が続いたものの、それぞれの歩んだ人生から学ぶことの多い時間だった。

あるがままの自分を受け入れ、ポジティブに人生と向き合うことは、簡単そうに見えて意外と難しいことだと思う。

 

生きているといろんな分岐点に出あい、立ち止ってしまうこともある。

分岐点に立ったとき、立ち止まるか、一歩踏み出すか―。

「未来予想図」通りにいかない人生だけれど、自分を信じ、どんなに時間がかかっても歩みだす勇気を持つことの大切さを教えてもらった。

(文・一木朋子、撮影・古賀亜矢子)

※情報は2013.11.29時点のものです

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