「佐川女子」のパイオニア 大西由希子さん(佐川急便南福岡営業所長)

大西さんは、全国の佐川急便で女性として初めて、係長、課長、店長(現・営業所長)に就任した「佐川女子」のパイオニア的存在です。さわやかでエネルギッシュな姿からは想像しがたいですが、かつては少数派の女性管理職として悩みもあったといいます。女性の管理職としてのとまどいや仕事への姿勢などを聞いてみました。

 

Q)佐川急便で唯一の女性の所長が福岡にいると聞いて驚きました。

A)会社に入ったころは、まさか自分が所長になるなんて思ってもいませんでした。正社員で入りましたが、転勤することも考えていなかったですし。地元の宮崎県延岡市で仕事を探していたとき「女性ドライバー募集」という新聞広告を見つけて、もともと佐川急便には「さわやかでかっこいい」というイメージがあったので応募しました。田舎だったこともあって、配達先でお客さんに感謝されたり、お土産に野菜をもらったりして、仕事は楽しんでやっていましたね。

Q)係長として福岡への異動を打診されたとき、初めは断ったそうですね。

A)女性の係長は当時誰もいませんでしたし、責任者としてどう対応していいか分かりませんでした。「自信がない」と断ったのですが、何度も説得されて…。

 

Q)男性社会での難しさはありませんでしたか。

A)男性の上司だと「いいからやれ」と言っても聞いてもらえますが、女性が命令口調で言うとどうしても偉そうになってしまう。男性の中には「女性に指示されたくない」という人もいます。でもそういう男性も私も、仕事の目的は一緒。なぜすべきなのか、だめなのかをきちんと説明して、納得してもらえるよう心がけています。私が一緒に男性化してしまってはいけないなと思っています。周りからは「甘い」と思われているかもしれませんが(笑)

Q)初めからうまくいったのですか。

A)最初はなめられないように背伸びしていました。きついときにもきついと言えず、地元に帰ろうかと悩んだりもしました。自分が自分じゃないという感じでしたね。そんなとき上司に「おまえが我慢したら意味がない」と言われたんです。「おまえが我慢していたら、あとに女性が続いていかない」と。それで吹っ切れて、「そこはおかしい」とか、いろいろ言うようになりました。今は間違っていたら反省すればいいと思っています。

私のことを見た女性社員に「毎日仕事、仕事でかわいそう」と思われてもだめ。私生活も含めて楽しそうじゃないといけないと思っています。

Q)佐川急便は主婦のパート採用や、女性の活躍に向けた取り組みを積極的に進めていますよね。

A)振り返ると女性が働く環境づくりが進んでいるなと思います。トイレや休憩室のこともありますし、名前を呼ぶときは「さん」付けするといったところからも少しずつ変わってきています。

私もプライベートでセミナーに参加したり、自己啓発の本を読んだり、ネットで調べたり。女性の活躍に向けて、所属長たちとの月1回のミーティングで提案するなど自分から動くようにしています。女性社員の研修などで講師として話すこともありますが「大西さんを見て頑張ろうと思いました」と言ってくれる人もいて、私自身の励みにもなっています。

 

Q)日頃の心がけを教えてください。

A)従業員に目線を合わせて、声をかけてもらいやすい雰囲気をつくるようにしてますね。店にいる全員に1日1回は自分から声をかけるようにしています。名前を呼んで「髪切った?」とか。風通しのいい環境づくりを心がけています。その方が、問題があったときにも、問題が小さいうちに自分の耳に入りやすいし、深刻になりづらいので。

Q)世の中で「女性の活躍」が注目されていますが、どうみていますか。

A)少子高齢化で、企業が男性従業員ばかり集めるのは難しくなっていきます。そのときになって変わろうとしても遅い。今から女性も働きやすい職場に変えておかないといけないと思います。女性だけじゃなく外国人も。男性のアイデアだけでは進化もしません。多様化ということでやっていく必要があるだろうと思います。

※情報は2014.7.12時点のものです

大西由希子さん

1988年、佐川急便延岡店(宮崎県)に入社。ドライバーなどを経験し、同社で初めて係長、課長、店長(現・営業所長)に就任。

福岡の好きなところは?
便利なところ。買い物も何でもそろっているし、旅行に行くにも空港が近くて、地下鉄もバスも多い。おいしい飲食店もたくさんある。

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