グリーンランドで撮影した映画「オズランド」 監督と原作者にインタビュー

 “ド田舎”の遊園地に配属された波瑠さん演じる主人公・波平久瑠美が成長していく姿を描いた映画『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』が10月26日(金)に公開されます。

(C)小森陽一/集英社(C)2018 映画「オズランド」製作委員会

(C)小森陽一/集英社(C)2018 映画「オズランド」製作委員会

遊園地の裏側を描くストーリーは、熊本にある遊園地「グリーンランド」がモデル。熊本県出身の波多野貴文監督がメガホンを取り、実際に営業中のグリーンランドで撮影した注目作です。波多野監督と原作者・小森陽一さんにお話をうかがいました。

左から波多野貴文監督、小森陽一さん

左から波多野貴文監督、小森陽一さん

-遊園地をテーマに描いた理由は?
小森さん(以下、小森) グリーンランドで務めていた友人の面白い話を聞いたことがきっかけです。西島秀俊さん演じる小塚慶彦のモデルになった友人ですが、「嘘でしょ?盛ってんの?」と思うほど驚く話も。アルコール抜きで昼間に呼び出して(笑)、もう一度話を聞くとやっぱり面白かったので、この話を物語にしたいと言いました。

-映画化にあたって重視した点は?
波多野監督(以下、監督) 小森先生から「とにかく可愛い作品に」とのオーダーを受けました。悪い人が一人も出てこない作品です。強いて言えば、久瑠美は仕事を通じて自分自身と闘っているということでしょうか。

-執筆の際、主人公は波瑠さんをイメージして書かれたそうですが。
小森 最初は小塚を主人公にしていたのですが、うまく広がらず筆が進まなかったんです。そこで外の世界から舞台となる遊園地を見るストーリーに変更しようと。その時に主人公として浮かんだのが、まだ当時ロングヘアだった頃の波瑠さんです。そこで役名は波瑠さんの名前にちなみ、波平久瑠美としました。
監督 僕も別作品で波瑠さんとはご一緒していましたし、すごくイメージがわきました。感情の機微の出し方も素晴らしく、最高のキャスティングだと思います。

-西島さんの弾けるような笑顔も印象的でした。
監督 西島さんは最近、眉間にしわを寄せているスタイリッシュな役柄が多かったので、そのギャップも見どころです(笑)。普段の西島さんは本当に素敵で格好いい方。その笑顔は絶対的に魅力的であるという確信がありました。

-脇を固めるキャスト陣も良い味を出していますね。
監督 柄本明さんや濱田マリさんなど本当に個性派ぞろいでしたが、このユニフォームのおかげか(笑)、すごく良いチームワークを見せてくれたと思います。橋本愛さんもどちらかというと普段クールビューティーなイメージでしたが、熊本県出身で地元。弾けたキャラクターを本当に楽しんでくれていたようでした。

-営業時間中での撮影、苦労した点は?
監督 熊本の暑さです! 高低差のある場所で撮影隊も苦労しましたが、遊園地のあの楽し気な雰囲気が和やかにしてくれたようにも思います。ただ、笑顔の空間を作ることは本当に大変だと改めて感じました。撮影準備をしているすぐ隣に従業員のデスクがあり、お仕事をされていたのですが、外からだと見えない準備やご苦労を感じました。長い時間をかけて脚本を練って準備して撮影して、編集して…ほんの2時間というエンターテインメントを提供する作品を作る。どんな仕事でもそうだと思いますが、僕らの作業にも通じるものがあり、親近感を覚えました。撮影でジェットコースターを停止していただいたり、ご迷惑をおかけしましたが、本当に皆さん協力的で感謝しかありません。

-最後に、映画の見どころを教えてください。
監督 グリーンランドに行ったことがある方は、より一層楽しんで見ていただけると思います。
小森 あーあの場所!と思いながら楽しめる。映画を見た後はグリーンランドへ行きたくなるはずです。
監督 僕自身、不満だらけだった波平と一緒で。助監督時代、俳優さんのためにスリッパを並べる作業に「なんでこんなことをしているんだろう」と疑問を持っていました。でもある日、俳優さんがより効率よく動けるよう、スリッパを置く位置を変えるなどの工夫をしたんです。何事も先を想像して動く。その瞬間から、何となく仕事の見え方が変わり、仕事が楽しくなっていった経験があります。そこは波平と重なるのですが、環境は自分の見方、捉え方で変わってくる。そう感じてもらえたらうれしいです。

※情報は2018.10.22時点のものです

秋吉真由美

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