
「ありがとう」の気持ちで道は開ける 堤信子さん(アナウンサー)
元FBSアナウンサーで、NTV「ズームインスーパー」TBS「はなまるマーケット」など朝の情報番組でレギュラーを長年務められたフリーアナウンサーの堤信子さんが、このたびフランス・パリの雑貨や文具、カフェ情報満載の「旅鞄(トランク)いっぱいのパリふたたび 文具と雑貨をめぐる旅」(実業之日本社)を出版されました。
フリーアナウンサーとしてテレビやラジオ、司会など幅広い分野で活躍される一方で、趣味の文具雑貨の旅をテーマにした著書を出版されている堤さんに、ヨーロッパの雑貨の魅力や今後の夢などについて聞いてみました。
Q)アナウンサーになろうと思ったきっかけを教えてください。
A)大学の時、軽音楽のサークルに入っていたのですが、洋楽のアーティストと仕事がしたいって思っていました。東京の大学に進学していたのですが、就職では地元に帰ることを親と約束していて。TV局に入ったら音楽の仕事に携われるかな、と思って地元福岡のテレビ局に入社しました。FBSで10年、フリーになって東京で20年、アナウンサー歴も早いもので30年になりました。
Q)仕事の一方で趣味に磨きをかけ、本を出版されました。今回の舞台・パリの魅力は?
パリに初めて行ったのは、イギリスに短期留学していた大学時代。それから何度も訪れましたが、何度訪れてもパリには人を引き寄せる魅力があります。何度行っても飽きないし、新しい発見がある。言葉では言い尽くせないほどの魅力があるんです。
Q)パリといえばワインや料理など他にも魅力的なものがいっぱいありますが、本のテーマは文具と雑貨なんですね。
A)文具や雑貨が好きだったのは、子どものころの遊び場が父の書斎だったことに関係しているかもしれません。幼いころから万年筆や筆記具などが大好きでした。パリをはじめ、ヨーロッパの文具に惹かれるのは、一言で言えば「味わい深さ」です。日本の文房具は機能性や品質に優れていますが、ヨーロッパの文房具や雑貨は、機能性や品質よりもまず、色やデザインの美しさを重視しているような気がします。ファッションなどに関しても同じことが言えるかもしれませんが、ヨーロッパの文具や雑貨を眺めているとノスタルジーを感じるんです。
Q)いくつになっても趣味を持ち続け、多方面で活躍される堤さんのポリシーは。
A)20代のころは、年を重ねていくうちにやりたいことは絞り込まれていくような気がしていましたが、50代になったいま、やりたいことは年々増えています(笑)。自分を支えているいすの脚が増えていく感じですね。ポリシーは、「何事に対しても感謝の気持ちを持つこと」。今回、本を出版するに至ったのも、多くの方の協力があったからこそ。自分一人では何もできません。だから感謝の気持ちが大事だと思っています。「ありがとう」という思いが人生を後押しするエネルギーにつながるし、「ありがとう」の気持ちがあって初めて道は開けるのだと思っています。
Q)現在、大学でも教えられているということですが、若い人たちへのメッセージをお願いします。
A)インターネットの環境に幼いころから慣れている学生たちの中には、リアルなコミュニケーションが苦手な人や繊細で傷つきやすい人が少なくありません。私は心を強く持つためのスピーチを教えているのですが、学生には、ノウハウとしてのコミュニケーションだけでなく、真の意味で他人と向き合い、心を通わせることについて学んでほしい。そのためには、折れない心を持つことが必要ですし、趣味を持つことも必要。趣味を多く持つことは選択肢が広がることにつながりますし、趣味は自分自身にとって武器にもなります。
Q)今後の夢は。
A)文具とメディアの関係や生活文化の中の文具について研究してみたいです。
Q)著書「旅鞄いっぱいのパリふたたび」は、商品の説明やおすすめポイントだけでなく、店内の雰囲気や店主との会話のやりとりなども描かれ、堤さんと一緒にパリの雑貨店にいるような気分になりました。読者にメッセージをお願いします。
A)パリは私にとって『永遠のおもちゃ箱』ではあり、『理想の文具部屋』。私が夢中になったパリの魅力が本を通してみなさまに伝わり、この本がみなさまの旅のお供としてお役に立てることを願っています。
※情報は2014.10.4時点のものです

堤 信子さん
フリーアナウンサー、昭和女子大学非常勤講師、エッセイスト。元FBSアナウンサー、その後フリーに、。TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍する一方、エッセイストとして、文具雑貨の旅をテーマにした著書「旅鞄いっぱいのパリ・ミラノ」「旅鞄いっぱいの京都・奈良」「『ありがとう』の届け方」「堤信子の暮らしがはずむちょっといい話」「100人中99人に好かれるありがとう上手の習慣」などがある。
公式サイト:http://notremerci.com/
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- 糸島の海に沈む夕日。
半透明のイカの活き造りや水炊きも大好き!
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