博多スターレーン3月閉館 九州プロレスの筑前りょう太さん、恩返し誓う

 プロレスファンに「西の聖地」と親しまれてきた「博多スターレーン」(福岡市博多区)が惜しまれつつ、3月末に閉館する。1972年11月に開業したスターレーンと「同級生」で、そこで繰り広げられた数々の名試合に魅了され、プロレスの道を歩むNPO法人「九州プロレス」(同市東区)の筑前りょう太理事長(45)。「あそこで見せてもらった夢は永遠。胸に刻み、恩返ししたい」。閉館に戸惑いつつも、聖地への感謝を口にした。

 力道山の活躍など戦後復興に一役買った大衆娯楽のプロレスは80年代、民放各社がゴールデンタイムで中継するほどの人気だった。スターレーン開業翌年の73年2月に生まれた筑前さんが聖地に通い始めたのは小学6年から。志免町の自宅から自転車を飛ばした。

「西の聖地」としてファンに愛された博多スターレーン

 前売り券を買うため徹夜で並び、試合開催日はカメラと色紙を手に、ロビーで大好きな初代タイガーマスクらを待ち続けた。タクシーが到着すると、憧れの人物に近寄ろうと、大勢の大人の足元をかいくぐった。「どれだけドキドキさせられ、夢を見せてもらえたか。僕にとってディズニーランド以上の場所だった」

 九州産業大ではプロレス研究部に所属。卒業後はメキシコで武者修行し、プロレスラーとしてデビュー。3年後に帰国し、空中技で魅了したメキシコ人レスラーのミル・マスカラスとスターレーンで再戦した。総合格闘家のボブ・サップともこの憧れの場で闘い、勝利した。

 東京の後楽園ホールに対し、西の聖地と愛されたスターレーン。平日は催事場として使われる会場の魅力を筑前さんは「レスラーとファンの近さ」という。

九州プロレスの筑前りょう太理事長

 間近で強烈な技が繰り広げられる臨場感、マットにたたき付けられる音、さらにレスラーの息遣いまでもが客席に届く。飛び散る汗やとどろく歓声は、規模の小さな会場ならではの醍醐味(だいごみ)。「レスラーの立場になっても、ファンの顔がしっかりと見えるので、最大限の力を出し切れる場所だった」と話す。

 年1回以上、スターレーンでの興行を重ねてきた筑前さんにとって、閉館は「寝耳に水」。団体設立10周年だった昨年は別の大きな会場で開催したため、17年夏の試合が最後となった。

 「今もプロレスに関われるのは、あの場所のおかげ。『ありがとう』だけでは足りない。生きるためのエネルギーをもらった大切な場所」。筑前さんは自分が受けた活力を、レスラーとしてファンに届けることがスターレーンへの「恩返し」と誓う。

 

=2019/02/18 西日本新聞=

※情報は2019.2.19時点のものです

博多スターレーン

住所福岡市博多区博多駅東1丁目18−33
TEL092-451-0011
URLhttp://www.starlanes.co.jp/hakata/

西日本新聞

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