アートを通じ、日常の風景に新しい価値を-岩本史緒さん(劇場職員、フリーキュレーター)

北九州市・小倉都心部のランドマークになっているリバーウォーク北九州内にある北九州芸術劇場。今回、ご紹介するのは、この北九州芸術劇場で開催される舞台のPRに携わる傍ら、フリーキュレーターとして地域での作品づくりやアーティストのサポートを行っている岩本史緒さんです。

 

Q)現在のお仕事について教えてください。

A)北九州芸術劇場の広報を担当する一方で、美術館など特定の場所に限らず、プロジェクトを企画するフリーキュレーターとして仕事をしています。アートに関しては、大学のころから現代美術に関わっていました。その後、ニューヨーク州立大学の大学院に進学し、哲学を専攻。専門は環境哲学という分野で、フランスの哲学者ミシェル・フーコー(1926-84)が理論的なベースでした。環境問題などの渦中にある人々が生み出す言葉や理論を科学など専門的な知に対峙するといった研究をしていて、そこで考えたことは現在に繋がっていると思います。アメリカで哲学を学ぶ傍ら、現代美術を紹介する展覧会などにも関わっていました。そうした経験を生かし、いまは北九州や福岡に在住している作家の海外での展覧会サポートなどもしています。

Q)地域での作品づくりもされているんですね。

A)ダンスや演劇を含め、アートは展示場や劇場で観るだけではないと思っています。最近はアートが専門でない人と一緒に新しいことに取り組むのに関心があるのですが、日常の営みや風景とアートが組み合わさるとどんなことが起きるのか、いつもと違う風景が見えるかもしれない、新しい意味や価値が垣間見えるかもしれない、そんなことを考えています。

 

Q)近く、イベントがあると聞きました。

A)11月24日(月・祝)午前10時~午後3時、常磐橋京町広場でダンス企画「踊って!!京町」を開催します。主催は京町銀天街協同組合。京町銀天街を舞台に、地域のダンサーやダンス団体によるパフォーマンスやオリジナルダンスが楽しめます。

Q)商店街を舞台にみんなで踊るなんて楽しそうですね。

A)すごく盛り上がりますよ。オリジナルダンスも商店街の人たちと福岡・北九州で活動するアーティストと一緒に考えました。劇場の仕事を通じて、こうして街の人たちと出会うことができ、一緒に何か創りあげていくことがとても楽しいです。そこから人や街の文化が育ち、新しい街の伝統が生まれていくのではないかと思っています。 「街」と「人」の魅力を発掘することが何よりやりがいに感じています。

Q)岩本さんのポリシーを教えてください。

A)ポリシーがないのがポリシーかもしれません。強いポリシーは行動を縛ることもあると思うので…。

 

Q)失敗した経験などありますか?

A)「無理をすれば何とかなる」と思って、いろいろ詰め込んだあげく仕事が回らなくなる…というベタな失敗をつい繰り返してしまいます。

 

Q)今後の夢などを教えてください。

A)地域や身近な人々の、まだアートとも呼ばれないような出来事の意味や作品性について形にできればと思っています。そして一緒に作品をつくる方たちと、できるだけ長く関わりつづけることができれば、と思います。

 

Q)最後に、未来の自分へメッセージをお願いします。

A)できるだけ身軽に、学び続けるために必要な気力を失わずに、まだ見たことのない景色をひとつでもふたつでも形にできますように。

 

※情報は2014.11.16時点のものです

岩本史緒さん

北九州芸術劇場宣伝営業課広報係

北九州芸術劇場で開催される舞台等の宣伝、広報を担当。地域での作品づくりやアーティストのサポートを行う。11月24日には京町銀天街でダンス企画「踊って!!京町」を開催。

福岡の好きなところは?
人がいいカタチで出会える環境があるところ。多すぎも少なすぎもないちょうどいい関係が保てるほどよい距離感がいい。

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