
映画「いのちスケッチ」主演の佐藤寛太さんや瀬木監督が福岡であいさつ
動物福祉に力を入れる大牟田市動物園(福岡県大牟田市)が舞台の映画「いのちスケッチ」。全国に先駆けて8日から福岡県内で公開中です。主演の佐藤寛太さん(劇団EXILE)、藤本泉さん、監督の瀬木直貴さんが9日、福岡市内で舞台あいさつした様子をリポートします。
3人は「ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13」(福岡市博多区)での舞台あいさつに登場しました。
―今の気持ちを聞かせてください。
佐藤 福岡県先行上映ということで昨日からスタートしています。福岡で撮影した映画なので福岡の皆さまにこうやって最初に見ていただけて、このように舞台あいさつさせてもらえて。お客さまの顔を直接見られる機会ってなかなかないですし、(上映後の)リアクションがどうなるか気になるので、ちょっとした緊張感もあるのが正直な気持ちです。
藤本 この作品は、何週間か大牟田市に泊まりこんで、地元の方に支えていただいて作ったので、こうして帰ってこれてうれしいです。福岡県の皆さんに先行で見ていただけるのもありがたいですし、こんなたくさんの方にお越しいただいて感無量です。
瀬木 今回、東京、名古屋、大阪の試写会をご覧になった一般の皆さんやマスコミの方々のアンケートで、とてもよい評価をいただいています。平たい言葉でいうと、居酒屋で近くの人が「いのちスケッチっていい映画だったよ」と言ってくれるような映画だと。
佐藤 それって一番うれしいですよね!
―佐藤さんは飼育員、藤本さんは獣医師と、動物と対峙(たいじ)する役柄でした。動物園の印象は?
佐藤 まず、大牟田市動物園の飼育員さんがとっても温かくて。僕に作業などを教えるという、通常の業務にプラスして手間がかかることを、まったくいとわずにやってくれたのが印象的でした。
藤本 皆さんの動物を見るまなざしも本当にすばらしくて。動物の幸せのために皆さんが地道な努力を重ねている姿に感銘を受けました。それに撮影が始まる前、初日に案内をしてもらった段階で、ライオンにお肉をあげさせられるという…そういう意味ではスパルタでした(笑)。貴重な経験でした。
―動物を相手に演技をするというのは、どんな感じでしたか。
佐藤 動物は、ただひたすらに今を生きている、というのを感じました。最初から、こっちが向こう(動物)に合わせるというスタンスだったので大変というのはなかったです。
藤本 これまでは、役者相手に演技をしてきました。警察、犯人、患者、医者など、結局相手は役者が演じていたわけですが、今回の動物は、本物。こちらも本物の飼育員として接しないと動物は混乱して、ストレスを感じてしまいます。自分の飼育員スキルを上げて対応しなくてはいけなかったです。
佐藤 フィクションじゃないという感じがありますよね。
藤本 そういう意味では難しかったですね。動物にストレスを与えないようにという緊張は、これまで感じたことがない種類の緊張でした。
―監督からご覧になって、役者さんはいかがでしたか。
瀬木 もう、本当に研究熱心でしたよ。時間があると飼育員さんを質問攻めにして。
佐藤 仲が良かったんですよ。飼育員さんたちの恋模様の話とかまで聞かせてもらって。
藤本 そうそう(笑)。
佐藤 絶対そうだと思ったんだ! とかね(笑)。
―2人でのシーンも多くありましたが、お互いの印象を聞かせてください。
佐藤 獣医師と飼育員は、(動物の)命への向き合い方がちょっと違うのかな、と感じました。知識や愛情もそうですが、獣医師は命に向き合う覚悟があるというか。それを藤本さんを通して現場で感じました。映画をご覧いただくと分かると思うんですが、お互いに役どころが違うので、そこも注目して見ていただきたいです。
藤本 (佐藤さんは)こんなふうに、すごくよくしゃべるんです(笑)。
佐藤 僕、すごくよくしゃべるんです。
藤本 現場を盛り上げてくださる、とても明るい方なんですが、映画の中では、少し内向的な今どきの若者。せりふも少ないんです。でもカットがかかると…しゃべる! 真逆な人柄でした(笑)。
―主人公・田中亮太を演じるにあたって佐藤さんが大事にしていたことは?
佐藤 漫画家の夢に挫折(ざせつ)して故郷の大牟田に帰るところから、この映画は始まるんですが、そういう点で「こいつ、(絵が)ヘタじゃね」と観客の皆さんが思わないように、そこは頑張って絵を練習しました。飼育員としては、動物園のことや世界の環境の様子を知るために(本などを)読んだりしていました。劇中に、無麻酔採血が出てきてます。多くの動物園では全身麻酔をして採血しているんですが…
藤本 麻酔銃で撃つんですよね。
佐藤 体調次第では命にかかわることがあるし、体の負担も大きい。だから大牟田市動物園では無麻酔で取り組んでいて、それについて取り上げた内容でもあるので、そのあたりも見ていただけたらうれしいです。そうそう、今なら、今月21日まで映画チケットの半券で、大牟田市動物園の入場料が無料になりますので、ぜひ足を運んでください。入り口の右側に(映画特製の)缶バッジのガチャガチャもありますよ。ちなみに、僕たちキャストは全種類コンプリートしました(笑)!
―これから映画を見る人に、ひと言ずつお願いします。
瀬木 今までの話にもありましたが、役者の皆さんには“うそのない芝居”をしてもらっています。動部や動物園そのものにも、うそがない。動物園関係者が見ても、うそがないはずです。その証明として世界動物園水族館協会の会長、メルボルン動物園の園長からも推薦のコメントが届きました。本当に、うそのない映画です。ぜひお楽しみください。
藤本 大切な人と向き合う、そして命と向き合うことをテーマにした作品です。スマホやパソコンと向き合う時間が長い時代ですが、この映画を見ることで、何か感じるきっかけになってくれれば、うれしいです。
佐藤 中学生くらいの時から映画がすごく好きで、この劇場にも自転車で友達と来ていました。そんな場所で、自分の主演の映画のあいさつができるなんて、うれしいというか、まだ現実味がないというか、何かむずがゆい気持ちです。映画は、僕のこの感じとは全く違いますので、この舞台あいさつの記憶は消してもらって(笑)、ぜひ作品に集中してください。きょうは本当にありがとうございました。
沸き起こる温かい拍手の中、3人は名残惜しそうに会場を後にしました。
作品の詳細は「いのちスケッチ」公式サイトで確認を。
※情報は2019.11.12時点のものです
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