木の魅力、森の魅力を伝えたい 佐藤美和子さん(素材生産業(林業))

「林業をやっているすごく素敵な女性がいる」と聞いて訪れたのは、佐賀県神埼市脊振町。平地に比べ気温がぐんと低く、小雨が降る中、教えてもらった製材工場現場へ。林業をやっている女性ってどんな人だろう…。そんなことを考えながら、現場に到着し、出会った女性が佐藤美和子さん。男性ばかりの職場で、大きな木材と向き合いながら懸命に働く彼女に、仕事のポリシーや将来の夢などを聞いてみました。

 

Q)林業をはじめたきっかけは何ですか?

A)私が働いている会社は株式会社「佐藤木材」ですが、ここは曽祖父の代から続いているものです。子どものころから3代目として働く父の後ろ姿は見ていましたが、子どものころは林業に携わるとは思っていませんでした。大学を卒業してから3年間は福岡市や佐賀市のホテルで働きました。ホテル従業員としての仕事も楽しかったのですが、徐々に家業である林業にも関心がわいてきて…。大学生のときに、姉と一緒にNPO法人「森林をつくろう」を立ち上げたのですが、そうした活動も影響したのかもしれません。

Q)NPO法人「森林をつくろう」というのはどういうものですか?

A)これは、日本の森林の現状や林業の抱える問題、日本の森林を元気にする方法の一つとして木材利用があることを知ってもらうために2004年、山林所有者や林業、木材業に携わる人たちと一緒に立ち上げたものです。「植林や育林等の山林育成事業」「広報活動事業」「果樹収穫や木工教室等の自然体験事業」「国産木材PR事業」の4つの分野で様々な活動を行っています。

 

Q)林業という分野で女性は珍しいのではないでしょうか。

A)そうですね。まだまだ全国的にみても女性の比率は低いです。力仕事も必要ですし、女性より男性の方が向いている部分もありますが、逆にこれまで注目されなかった女性ならではの視点が生かせるのではないかと思っています。同じことを伝えるのであっても、男性と女性は視点が違うと思いますし、自分なりの視点やアイデアを生かして、もっと林業や国産木材の魅力を発信していきたいと思っています。

Q)幼いころから林業を身近に感じていたといっても、ホテル業界から林業へ転職したときは大変だったのではないですか?

A)私は生まれたときからここで育っていますが、父から家業を継ぐように言われたことはありませんし、林業の詳しいことは何も知りませんでした。なので最初は杉と檜の見分け方も分からなかったし、木材に関連する機械の名前もさっぱり分かりませんでした。業界用語を理解していないから、「サンゴウカクの角材を」と言われたときも、「3号格」という規格があると勘違いし、父に笑われたことがあります。正確には「35(3寸5分)角」という部材の大きさを表す意味だったんです(笑)。

 

Q)林業に携わるようになって何年ですか?

A)6年目です。最初は葉や木肌、木の色を父に教わりながら学んできました。木のことが分かってくると仕事が面白くなってきました。仕事では、立木を購入して伐採から造材、搬出までを手がけますが、どこに木を売るのかなども考えます。また、NPO法人森林をつくろうでは、国産木材を使用した、こだわりのある「伝統構法」の家づくりを希望する方々の相談を受け付けたりもしています。仕事を知り、仕事の幅が広がってどんどん面白くなっています。

Q)未来の自分へメッセージをお願いします。

A)もっと木のことや森のこと、製品づくり全般を理解し、林業や木材のよさを伝えていきたいです。

※情報は2014.12.13時点のものです

佐藤 美和子さん

株式会社佐藤木材(佐賀県神埼市脊振町)

曽祖父の代からつづく佐藤木材で、立木購入から伐採、造材、搬出までを手がける。姉と立ち上げたNPO法人「森林(もり)をつくろう」の副理事長も務める。

森林をつくろう:http://www.mori-tukurou.com/

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