つながっている「命」と向き合う 畠山千春さん

海と山、田畑の広がる糸島の地で、シェアハウスを主催し、猟師として生活を営む、畠山 千春 さん。若くてかわいい彼女は、命や自然と向き合う暮らしをしています。その生きる原点にいる彼女に、『命とは。。。』たくさんのお話をお伺いしてきました。

17世帯しかない集落に糸島のシェアハウスはあります

17世帯の糸島の小さな集落にシェアハウスはあります

畠山さんは、東京の法政大学へ進み、地域コミュニティを学びました。その後、カナダのトロントへ留学。人種の坩堝の中で心に刻まれたのは、『人を外見で判断する事は不可能だ』ということ。『外見ではなく、その人自身の軸を持っている人が格好いい』ということ。そして、1人の人間として、自分は一体何ができるのか。。。畠山さんの『私』として生きる事が始まった瞬間でした。

2011年3月、東日本大震災の時、畠山さんは横浜にいました。この大震災で彼女が目にしたものは、当たり前だったはずの日常が無くなった毎日。コンビニから食べものが消え、水の買い占めが起こって自動販売機のものも売り切れ。スーパーに行っても、母子手帳が無いと水が買えない。。。畠山さんは、『お金の価値が無くなったとしても、生きていける技術と仲間を作るコミュニティを作らなくては!』そして、『今この瞬間から始めなければ次大きな震災が来たときに死ぬかも!』。そう考えたそうです。

大震災発生から1ケ月。開店直後なのに品切れでガランとしたコンビニ(仙台市内)

大震災発生から1ケ月。開店直後なのに品切れでガランとしたコンビニ(2011年4月、仙台市内)

そして2012年。拠点を福岡に移し、糸島の地で、『たべもの、エネルギー、仕事を自給する、持続可能な暮らし』をテーマにした、シェアハウスをスタートさせました。現在7名の男女が暮らし、猟師、カメラマン、着付け、料理、農家、酒造り等、それぞれの得意分野を生かしたコミュニティとなっています。

糸島のシェアハウスの外観

糸島のシェアハウスの外観

 

こんなにかわいい看板でお出迎え♪

こんなにかわいい看板でお出迎え♪

Q)猟師、糸島シェアハウスを運営されているということですが、具体的には、どんなことをしていますか?

A)屠殺ワークショップ、講演、ライターとしてコラムを書いたり、捕まえた動物の羽や毛皮を使ってのアクセサリーづくり、自分にしか出来ないことを仕事としています。

Q)屠殺ワークショップは、若い世代にも考えさせられる時間になっているそうですが、どんなことをしているのですか??

A)養鶏場から鶏を買って、この鶏が育てられるまでを紹介し、そして肉として絞めて、料理をします。その中で、鶏が、私たちの食卓に上がるまでの流通や、農家さんの苦労、生き物の命を頂くこと、そこにある様々な物を、事実を知り、経験し、シェアし、考える、そんな時間にしています。

Q)そこには、どんな思いがあるのですか?

A)私たちは「生かしてもらっている」こと、「命のつながり」を感じてもらいたいと思っています。今、烏骨鶏を飼っています。この子は虫を食べます。1日に何匹も食べます。食べられていく一匹一匹の虫たちも、それまでにいくつもの命を食べてきています。そして、そんなたくさんの命に支えられた烏骨鶏の命を、今度は私達が、たった数回の食事で食べるんです。一つの命が成り立つには、一体どれだけの命が必要なのか。1羽の鶏という、生きている命を絞めるのは、そんな命のつながり、ありがたみを知る行為だと思っています。

そしてもう一つ、このワークショップで伝えたいのは、『あなたは何を選び、何にお金を使うのか』ということです。多くの人たちは、のびのび自然に育った、質の良い肉や卵を求めるでしょうが、どうしても値が張ってしまいます。でも、たくさんの人が、より質の良い食べ物にお金を使う様になれば、苦労して育てている生産農家さんも、値を下げることができ、私たちも、良いものを日常的な金額で手にする事ができるようになると思います。買い物はひとつの意思表示です。お金を、誰(何)のために、どこに投じるか―。買い物で意思表示する人を増やしていきたいです。

Q)千春さんは、ブログ『ちはるの森』にて、生き物の命についての記事を書かれていますが、色々な反響が出ていますね。

A)私は、屠殺は特別なことではないと思っています。狩りの様子や動物の解体場面をブログに載せると「狂っている」「動物虐待」などと非難されることもありますが、私は動物でも植物でも「命をいただく」ことに境界線はないと思います。植物を含め、何かの命を奪うことなしに人は生きられないし、私たちの命もまた自分1人だけの命じゃない。果てしない数の命を頂いて、今ここに生きているんです。

アナグマの皮なめにも挑戦!

アナグマの皮なめにも挑戦!

 

Q)今欲しいものは??

A)大工さんが欲しいです*もうすぐ音楽家が入居されるので、とても楽しみです!あと欲しい人材として、築60年程の古民家なので、舗装や修繕もしたいので、大工さんで良い人が来てくれたらな~!!って思ってます。

【編集後記】

考えさせられる時間でした。千春さんの今の生活は、何も特別な事ではありません。元々の私たちの生活は、自然や命と向き合うことが当たり前だったはずですね。人は、自分が死ぬことを経験する事で、始めて本当の生きるが始まります。彼女の、命と向き合うワークショップ。参加したとしたら、一体何を感じるでしょうか。命とは。貴方のタイミングが来た時に、ぜひ覗いてみてください*

これからさらに!千春さんの活動に大注目ですo(^▽^)o

 (長谷川春奈)

※情報は2013.12.6時点のものです

畠山千春さん

カナダ留学後、ウェブマガジンgreenz.jpのインターンを経てNGO/NPO支援・映画の配給事業を行う会社に就職。2011年3月の東日本大震災をきっかけに、大量生産大量消費の暮らしに危機感を感じ「自分の暮らしを自分で作る」べく、鶏などを解体する屠殺の勉強を開始。屠殺ワークショップを開催し大人から子どもまで一緒になって命と向き合う場を提供している。

福岡の好きなところは?
福岡は、田舎と都会の距離の近い!人の繋がりも垣根が無くて、海があって、山があって!そんな素敵な場所だから、求めた念願のシェアハウスを作る事ができました。

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