流されず、自分と向き合って生きていく SHIGAMIKI(志賀美紀)さん(イラストレーター)

Web制作やイベント、映像制作などを通じ、クリエイティブな街づくりに取り組む「Zero-Ten」。今回ご紹介するのは、Zero-Tenでイラストレーターとして活躍するSHIGAMIKIさんです。8月31日には、作詞家の中村彼方氏の物語に絵を添えた初めての絵本アプリ「てのひらの星」(辰巳出版)を出版。SHIGAさんに、アートにかける思いや今後の夢について聞いてみました。

 

Q)まずは、絵本出版おめでとうございます。

A)ありがとうございます。「てのひらの星」は、長崎出身の作詞家中村彼方さんの物語で私は絵を担当させていただいたのですが、中村さんが10年ほど前から温めてきた企画に携わることができて嬉しいです。

【てのひらの星】

心にぽっかり空いた穴を埋める「何か」を探して「てのひらの星」の過去、現在、未来を旅するハート君。綺麗な音のなるもの、いい香りのするお花、かわいらしい木の実…心の穴にぴったりはまりそうなものを見つけて、はめてはみるのだけれど、どれもうまくはまらない。ハート君の穴を埋めてくれるものは、いったいどこにあるのだろう?

 

Q)とても可愛らしい絵ですね。幼いころから絵が好きだったんですか?

A)そうですね。子どものころから絵本が大好きでした。家には400冊くらい絵本があったのですが、絵本を読むのはもちろん、自分で絵本を作ることも好きでした。幼いころは、自分で作った絵や物語を祖父に渡し、読んでもらったりもしていました。

Q)SHIGAさんは白樺派を代表する小説家、志賀直哉さんのひ孫に当たるそうですね。ひいおじいさんの作品を読んで似ているな、と思うところなどはありますか?

A)曽祖父の作品では「暗夜行路」が有名ですが、私は「菜の花と小娘」や「小僧の神様」といった短編小説の方が好きです。また、随筆などを読んでみると、考え方や似ているところがあるな、と思うこともあります。

 

Q)どういった部分が似ていますか?

A)できあがった作品だけでなく、作品になる前の原稿などを読んだこともあるのですが、短い文章であっても何度も何度も書き直した跡が残っていました。曽祖父は自身の思考回路を客観的に見て、冷静に分析した上で物語をつくっていった人だと思いますが、私もそんな面があるので。

 

 

Q)SHIGAさんが福岡に来られたきっかけを教えてください。

A)東京で生まれ育ち、就職もしたのですが、2011年3月11日の東日本大震災を機に東京を離れる決意をしました。極度の地震恐怖症で、大きな揺れが不安で家から出られなくなってしまって…。すぐに石垣島に行き、住み込みで働き始めました。その後、沖永良部島に行き、鹿児島まで来たんだから福岡に行こう!と思って(笑)

 

Q)島ではどんな生活を送っていたんですか。

A)私のことを知っている人が誰もいない島で、自分自身と向き合い、そこでリセットしました。地震の体験を通じ、人間がいかに無力な存在であるかを思い知りました。生きているのではなく、生かされていることを実感しました。島で過ごした時間によって、より自分自身のことを客観的に見つめ直すことができたような気がします。島でゆっくり自然と向き合い、自分と向き合う時間が持てたので、「もう一度、街に出よう」「もう一度、人と関わっていこう」と前向きになれたのかもしれません。

 Q)SHIGAさんのポリシーは。

A)何事にも流されず、自分と向き合うこと。

 

Q)未来の自分へメッセージをお願いします。

A)いつか曽祖父の作品に絵を添えて出版したいです。

 

※情報は2015.9.5時点のものです

SHIGAMIKI

イラストレーター。Zero-Ten(福岡市博多区)でウェブサイトのデザインや企業ロゴ、キャラクター制作、ファインアートなどに携わる。イベントでDJを担当することも。8月31日に、作詞家の中村彼方氏とともに、絵本アプリ「てのひらの星」を出版。てのひらの星Facebook⇒https://www.facebook.com/tenohiranohoshi

福岡の好きなところは?
海や山など自然が近く、都心から足を伸ばせばすぐに糸島などに行けるところ。

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