自立心と思いやりを持った子どもの成長を 奥田竜子さん(福岡県教育委員長、弁護士)

福岡県教育委員長の奥田竜子さんは、現役の弁護士で、3人の小学生の母親。「若さ」「女性」「働く母親」-。いろいろな視点や立場から期待されることが多い奥田さんに、教育委員長としての抱負や子育ての考え方などを聞いてみました。

 

Q)10月に歴代最年少の福岡県教育委員長に就任されました。

A)2009年から教育委員を務めてきましたが、今回、教育委員長として選任されたことに身が引き締まる思いです。歴代最年少というプレッシャーもありますが、今回の就任を機に多くの人から激励の言葉をいただきました。みなさんの期待に応えられるよう、しっかりと務めていきたいと思っています。

 

Q)子育て中の教育委員長という期待感もあると思います。

A)私には小学生の3人の子どもがいるので、教育委員会の中で仕事をする上で、現役の母親だから見えることや感じることもあると思います。学校現場と保護者というそれぞれの現場感覚を大切に、教育委員長としてお互いが信頼できる関係の構築ができたらと思っています。

 

Q)奥田さんの子育て(教育)の流儀は?

A)『自立して生きていく力を身に付ける』ということです。勉強だけやっていても生きる力は身につかないし、食事や睡眠はもちろん、身体を動かして遊ぶことも大事です。日頃から子どもたちには自分で考えて行動すること、いろんな本を読み、いろんな世界・価値観を知り、そしていろんな経験を積んでいくことの大切さを教えています。

 

Q)弁護士と教育委員長、母親の三足のわらじで大変だと思います。

A)子どもは小学2年生と5年生と6年生。それぞれ習い事も異なり、時間の使い方が大変なときもありますが、根性と気合でなんとか頑張っています(笑)。疲れていつの間にかソファに眠っていることもありますが、先日はついに床で寝ていました(笑)

今年9月、3人の子どもと一緒に行った二見ヶ浦で。

今年9月、3人の子どもと一緒に行った二見ヶ浦で。

Q)リフレッシュ法は?

A)子どもの寝顔を見ると安心します。日常生活においてはドジな母親で、失敗をすることも少なくないのですが、子どもたちに話すと、『まあまあ仕方ないよ』と肩を揉んでくれたり、『失敗は成功のもと。次、頑張ればいいよ』と励ましてくれたり。小学生の子どもたちに励まされることもしばしばです。

 

Q)座右の銘を教えてください。

A)『明日はまだ失敗のない新しい一日』(赤毛のアン)。この言葉を胸に、毎日新しい一日を新しい気持ちで迎えています。また、父方の祖母が戦後、1人で中国・ハルビンから5人の子どもを連れて日本へ引き揚げたときの体験談に、

 

どんなに貧しくても生きられる
どんな粗食にも耐えられる
着るものも寒さを凌(しの)げれば足りる
家がなくても野宿で生きられる
強い強い精神力で病気にならぬ
この五つをいつも頭に置いて心豊かに生活しております

 

と綴っていました。祖母の言葉からは、どんなときも生き抜くことの尊さ、大切さ、一番大事なことは強い精神力だということを学びました。

 

Q)あらためて、福岡県教育委員長としての意気込みをお願いします。

A)学力や体力の順位にばかりとらわれすぎることなく、将来に夢を持ち、生きる力をしっかりと持った子どもたちで溢れる福岡県にしたいと思っています。自立心と他者への思いやりを兼ね備えた子どもを育てられる教育環境を、行政と保護者の両面から築き上げていけたらと思っています。

 

奥田さんのコラム

「当たり前」の権利は先代の女性たちのおかげ 不屈の努力に胸熱く

たくましい祖母から受け継ぐ 平凡な日常のありがたみ どんな時も生き抜くこと

どうしようもない現状でも 前に進む人間の力 仕事しながら励まされ

一日一日が勝負なんだ 仕事の意義、家族の絆 年始、映画に教えられ

友は一生の宝物 学校は勉強だけでなく 価値観の違いを学ぶ場

不安を抱える人々に 安心感を与えたい 誰にも平等な「法律」武器に

 

 

※情報は2015.11.28時点のものです

奥田竜子さん

福岡市中央区大名で兄奥田貫介さんと「おくだ総合法律事務所」を運営。2009年から福岡県教育委員を務め、今年10月に歴代最年少の県教育委員長として選出された。3人の小学生の母。

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