地元に愛される百貨店に 博多大丸 柚木和代社長

2016年最初のインタビューは、博多大丸の柚木和代社長です。柚木社長は、1983年に大丸に入社後、女性初の部長、店長、執行役員を経て、昨年5月、博多大丸で初の女性社長となった経歴の持ち主です。「女性初」ということで注目されることも多い柚木社長に、仕事のポリシーや今後の夢について聞いてみました。

 

大切なのは「順番」より「中身」

-博多大丸社長としての1年はいかがでしたか。

「女性初」ということで注目されることが少なくありませんでしたが、私自身は「女性初」ということに特別な気負いはありません。大切なことは、「順番」ではなく、「やりたいこと」。順番より中身にこだわっていきたいと思っています。まだまだリズムがつかめないところがありますが、博多大丸としてできることを見つけていきたい。2016年は「改革と挑戦」の年。新しい自分を発見する気持ちで臨みたいと思っています。

 

地域に愛される百貨店に

-福岡市・天神は百貨店やファッションビルが立ち並ぶ商業激戦区ですが、どのような百貨店づくりを目指していますか。

これまで札幌や神戸で店長を務めてきましたが、どこに行っても「地域に愛される百貨店」になることを目標としてきました。

着任した当時の札幌大丸は歴史が浅く、北海道での知名度はほとんどありませんでした。だからこそ、その当時は「北海道といえば『雪と大丸』」と思ってもらえるよう、夢を持って従業員一丸となって邁進しました。地元に根ざし、北海道の人たちが東京や他地域で大丸を見たときに「あ、北海道のデパートが東京にもある」と思ってもらいたいと思っていました(笑)。

その点、博多大丸は歴史があります。既に歴史がある百貨店のブランディングをどのように進め、「地域の百貨店」としての存在感を高めていくかを考えていきたいです。東京や他地域のマネではなく、博多の個性を活かせる百貨店、伝統と新しさ、若者と年配者、幅広い層の人たちが集える場所にしたいと思っています。

 

-福岡の印象はどうですか?

一言で言うと「祭りの文化」が息づいているということでしょうか。昨年、初めて博多祇園山笠を見に行きましたが、台上がりする人はもちろん、舁き手の男性たちが誇らしげに山笠を担ぎ、懸命に走っている姿に感動しました。舁き手の真剣な眼差しが印象的でした。

担ぐことにも誇りと喜びがある。福岡の人は面倒見が良い人が多いと感じていますが、こうした人柄は、山笠文化の気質によるものではないでしょうか。

夢なき者に成功なし

-座右の銘は。

吉田松陰の「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし。故に、夢なき者に成功なし」という言葉です。夢や目標は若いころから必ず持つように意識しています。

 

-若い頃はどのような職場でどんな仕事をされていたのですか。

大学時代は京都精華大学美術学部でグラフィックデザインを学びました。そのころから百貨店の広告に興味を持ち、大丸に入社。宣伝部という部署で、ディスプレーの仕事などに携わっていました。

入社して5年ほど経つと、「このまま仕事を続けてキャリアを積むのか、転職するのか。結婚は…」と、自分の人生プランに悩み始めました。27~28歳の頃ですが、この年齢になると誰しもそんな漠然とした不安や悩みを抱えるのではないでしょうか。

そんな時、目に止まったのが、大丸フランスの研修生募集の掲示。募集条件の年齢やキャリアには到達してなかったのですが、思い切って応募してみたところ、「そんなにやる気があるのなら」と、人事部が本社にかけあってくれ、結果的にフランスへ行くことができました。

 

-フランスにはどのくらい生活していたんですか。

計4年間です。1年目は研修生として、残りの3年間は駐在員として滞在しました。帰国後は、営業部に戻り、部下もできました。部下ができ、チームをまとめる立場になると、マネジメントのスキルが求められます。大変なことも多かったですが、とてもやりがいを感じました。その後、2004年大丸芦屋店長、08年札幌店長を務め、10年に大丸松坂屋百貨店執行役員、12年神戸店長事務管掌、15年社長特命事項担当、博多大丸顧問を経て、現在があります。

仕事のストレスは仕事で返す

-多忙な日々のストレス解消法は。

休日には、ゴルフをしたり、映画を見たり、ロックを聴いたりしますが、私は「仕事のストレスは仕事で解消するしかない」と思っています。業績が悪くてストレスを感じているのであれば、業績が上がるように努力する。お客様にお叱りを受けることがあったら、次は「ありがとう」と言っていただけるようサービスを向上させる。そうやって繰り返しているので、基本的にあまりストレスは感じません(笑)。

 

-今後の夢を教えてください。

地元の方に末永く愛される百貨店を作り上げることです。従業員には、地域から愛される百貨店で働いているというプライドを持ってほしい。地元の人も、従業員も、誇りに思えるような「博多大丸」をつくっていきたいです。

 

※情報は2016.1.16時点のものです

関連タグ

この記事もおすすめ