毎日の暮らしをもっと楽しくもっと豊かに 井口和泉さん(料理家)

今回ご紹介する井口和泉さんは、東京やフランスで料理の腕を磨き、季節の野菜を使った保存食や酵素づくりの料理教室、各種イベントでの講義や商品開発、暮らしと食卓周りについての執筆など、幅広い分野で活躍する料理家です。

-料理の道へ進んだきっかけは。

子どものころから料理が好きで、中学になって料理教室に通い始めました。お皿に盛られた料理は美しく見えるし、みんなでおしゃべりしながら食べるとよりおいしく感じます。食べ終えてお皿が空っぽになっても、「おいしかった」「楽しかった」という思いは続いていく。そんな料理がもたらしてくれる時間が好きで、料理家になりました。

美味しそうな手作りの干し肉と。

-料理家の方が作るメニューは専門的な印象があります。

確かに、専門的なことを学びましたが、基本になるのは「家庭でつくる」何かだと思っています。料理は、つくるためにあるのではなく、食べる人のためにある。食べる人がいい気持ちになってもらえることが料理家として大変嬉しいことだと思っています。

 

-2年ほど前にブログで発信されたホットサンドが人気のようですね。

そうですね。冷蔵庫にある具材でホットサンドを作っていたのですが、バナナと黒糖をパンにはさんだり、羊羹をはさんだり。ぶどうパンにクリームチーズをいれたホットサンドはとても美味しかったです。このように、料理は「そこにあるもの」で、手軽に美味しくできるもの。「あの材料がないからできない」というのではなく、ないならないで、あるものを使って工夫していけば、思いもよらないおいしいものができたりしますよ。

 

-2013年には狩猟免許も取得されました。

私たちが日々口にしている食べ物は、かつて生きていたものです。「命」をいただくということはどういうことか、一体どこまでが「命」で、どこからが「食べもの」になり、いつの間に「おいしそう」と感じるようになるのか。そんな疑問が生じ、その答えに近づくために「狩猟」という場に踏み込みました。

 

-実際に狩猟を体験して変化がありましたか。

狩猟の現場では、正直、胸が押しつぶされそうになることもありましたが、生き物と真摯に向き合う経験を通して、命のありがたさや、「いただきます」という言葉の重みを感じるようになりました。

-井口さんにとって料理とは。

一言で言えば、「喜び」だと思っています。これからの暮らしがちょっと豊かになるような料理をつくっていきたいです。

※井口さんのサイト「タンブラー」はこちら⇒http://izumiiguchi.tumblr.com/

※井口さんの書籍「料理家ハンターガール奮戦記」⇒★★★

 

※情報は2016.3.12時点のものです

井口和泉さん

料理家。福岡市在住。 福岡、東京、フランスで料理とお菓子を学ぶ。 庭で育てる野菜やハーブ、野草、果物を用いた料理が得意。 四季折々の保存食作りや旅とピクニックを通じて、土地と食卓をむすぶレシピを作る。 福岡を拠点に全国で不定期開催のワークショップや教室、土地の素材を用いた料理会、メディアや企業へのレシピ作成&監修、商品開発のアドバイス、旅と食にまつわるエッセイの執筆など、様々なかたちで「美味しい」に関わっている。2013年、狩猟免許試験合格。著書に「料理家ハンターガール奮戦記」(朝日新聞出版)

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