医療現場にアロマトリートメントを導入 岩橋知美さん(アロマセラピスト、看護師、メンタルケア心理士)

アロマトリートメントを医療現場に導入し、治療に役立てる「メディカルアロマ」。

今回、ご紹介するのは、新古賀クリニック(福岡県久留米市)などでアロマセラピスト、看護師、メンタルケア心理士として患者と向き合う岩橋知美さんです。アロマトリートメントが医療現場でどのような効用を発揮しているのか、聞いてみました。

Q)アロマに関心を持ったきっかけは何ですか?

A)もともと看護師として病院に勤めていたのですが、結婚を機に仕事を辞め、12年間、医療現場を離れていました。3人の子育てが落ち着き、そろそろ仕事に復帰しようと思った時、産婦人科でアロマトリートメントが行われていることを知りました。その時、直感的に「アロマ=医療」と結びつき、アロマを勉強し始めたんです。

―岩橋さんは、アロマを勉強して1年後にサロンを開設。看護師の資格を生かし、産婦人科や高齢者施設などを訪れては、アロマトリートメントを実施し、その医学的効用を確信、「医療現場にアロマトリートメントを導入したい」という気持ちが強くなっていったという。

Q)アロマトリートメントが持つ治療的効果はどのようなものですか?

A)アロマには単にリラックス効果だけでなく、むくみや痛みをとる力があります。以前、小児がんの子どもをトリートメントしたことがありました。最初、子どもはものすごく嫌がっていたのですが、トリートメントをしていくうちに徐々に落ち着き、食欲も出てきたんです。また、重い病を背負った子どもを持つ母親にもボランティアでトリートメントを行いました。普段、子どもに泣き顔を見せてはいけないと頑張っているお母さんたちが、マッサージを始めると辛い気持ちがすっと和らぐのか、みなさん涙を流されます。そして、「すっきりしました。これで子どもに元気に接することができます」と言われました。その時、アロマトリートメントの力の大きさを感じました。

―アロマトリートメントが患者やその家族にとって大きな力を持つと確信した岩橋さんは、2009年、ICAA(インターメディアリー・クリニカルアロマセラピー協会)を設立。理事や主任講師はすべて医療従事者で構成、セラピストを取得した看護師たちがそれぞれの医療現場でトリートメントを行い、広がりをみせている。

Q)アロマ外来を行っている病院は珍しいですが、実際はどのように行っているのですか?

A)まずは患者様のカルテや来院時の状態を見ながら、精油を選びます。人それぞれ、または症状によって適する精油は異なります。使用した精油名、オイル濃度などは電子カルテに打ち込んでおり、主治医がいつでも閲覧できるようにしています。

Q)今後、日本の医療現場でもアロマセラピーの導入が広がっていきそうですね。

A)病気に向き合うにはメンタル的な強さも必要ですが、アロマは、症状改善に加え、精神面を安定させる効果もあります。スキンタッチすることで、不思議と気持ちが落ち着き、会話を始める患者さんも少なくありません。医療従事者にとって、患者さまの声を聴くことはとても大切なことです。コミュニケーションツールやメンタルケアの面でもアロマセラピーは医療現場でもっと必要とされるものになってくると思っています。

【編集後記】

岩橋さんの話を聞いていると、そのバイタリティーのすごさに驚きます。アロマを勉強して1年後にはサロンを開設。その後、協会まで立ち上げるなんて、その実行力に脱帽しました。岩橋さんを動かしたのは、「医療現場にアロマは必要」という確信です。確信を実行に移し、アロマの医学的な効用に気づいた多くの人がそれを広めていく。今後の医学にアロマの効用がどう活用されていくのか、楽しみです。

(文・一木朋子、写真・井上まき)

※情報は2014.3.15時点のものです

岩橋知美さん

看護師を経てアロマセラピーを学び、2009年ICAAを設立。

新古賀クリニックのアロマ外来でメディカルアロマトリートメントを行う。

看護師の資格のほか、メンタルケア心理士の認定も取得。

福岡の好きなところは?
ほどよく田舎の久留米。高良山から眺めた筑後平野。
好きな方言は「よかよか」

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