新郎新婦から教わった「結婚式の意味」 ウエディングプランナー・江口美久さん

今回ご登場いただくのは、鹿児島市の城山観光ホテルのウエディングプランナー・江口美久さんです。

2007年に入社した江口さんは、これまで120組ほどのカップルを担当。14年のブライダル総研主催の「いい結婚式」プラニングコンテストで全国のファイナリスト8人に選ばれました。1児の母でもある江口さんに、ウエディング業界のお話をうかがいました。

―ウエディングプランナーになったきっかけは。

 高校3年の時に鹿児島市の結婚式場のテレビCMを見たことです。花嫁のすてきな姿が印象的でした。人生の門出をプロデュースし、人を笑顔にできるこの仕事を知り、鹿児島市内の専門短期大に進み、ホテルで働きながら婚礼サービスの現場を学びました。

―城山観光ホテルに入社したのはなぜ。

 ホテルの女性プランナーの記事を読んで、その人の下で働きたいと思ったからです。華やかな世界で格好良く働くイメージの職場ではなく、一人の大人としてお客様と向き合う、人間力が試される仕事だと話していました。その先輩にほめられたいと思って頑張ってきました。

―印象に残っている式は。

 初めて担当したのは40人ほどの披露宴で、終わった後に「ありがとう」と新婦さんからブーケを頂きました。うれしくて、初心を忘れないためにドライフラワーにして部屋に飾っています。産休・育休後に担当したお子さん連れの式も印象深く、「いい結婚式」のプランニングコンテストで発表しました。

式に乗り気でなかった新郎に結婚式にも、その準備にも意味があることを伝えて夫婦の息が合い始めたと思いました。ところが、式まであと数日という日、新婦が泣きながら「結婚式をする意味があるんでしょうか」と泣きながらやってきました。準備のささいなことで、けんかしてしまったのです。その日は打ち合わせをせず、新婦の悩みを聞きました。新婦は帰宅後、新郎に「忙しい中に準備をしてくれてありがとう。ごめんね」と伝えたそうです。新郎は式の謝辞で「支えられていることに感謝し、生きていきたい」と周囲への感謝を語りました。式後、新婦は「私たち、やっと家族になれました」とメールを送ってくれました。本当の家族になるために歩んできた過程、それこそが結婚式の意味だと二人が教えてくれました。プランナーの役割は結婚式を作ることだけでなく、新郎新婦を向き合える夫婦に導くことだと気づかされました。向き合うことのできた夫婦の結婚式は、意味、価値のある結婚式となって、必ず未来の子供たちに受け継がれていくはずです。

―婚姻数が減少し、経済的事情などから披露宴を開くカップルも少なくなっていますが。

 今の職場では結婚式に興味を持ってもらうための企画やイベントもつくっています。夏休みの今月は小学生に式や披露宴の仕事を体験してもらいました。県内のホテルや式場でつくる「鹿児島ウエディング協議会」の事務局にも入っていて、鹿児島市と協力して高校生が結婚式をプロデュースする事業を企画し、21日に初めての式がありました。体験した高校生の中からプランナーを目指す生徒が出てきてほしいですし、式も挙げたいと思ってもらえたらうれしいです。

―リラックス法は。

 仕事がきついなと思うときほど、本を読むようにしています。特に村上春樹さんの丁寧な世界観が好きでよく読んでいます。子どもにも本を読ませたくて、休日は図書館に行っています。

―働く母親にメッセージを。

 「仕事と家事の両立」と言われるけど、肩肘張って頑張らなくてもいいと思う。1人で頑張るのでなく、周囲に助けを求めて、楽しく働いてほしいです。

※情報は2016.8.27時点のものです

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