「第7回Malt Odyssey」主宰・樋口一幸さんに聞く ウィスキーの魅力とBarの愉しみ方

―まず、「Malt Odyssey(モルト・オデッセイ)」とはどのようなイベントなのか教えていただけますか?

樋口 ウイスキーファンのみならず広く一般の方々へ、Barの愉しみ方やウィスキーへの理解を深めていただくことを目的として、年に1度、開催しているイベントです。「パスポート」と呼んでいる専用のリーフレットを片手にスタンプラリー形式で各店舗を回ってもらい、おすすめのウィスキーやカクテルを味わっていただくというもので、参加店舗のバーテンダー自らが企画・運営しています。今回の開催期間は、10月1日(土)から11月30日(水)までの2か月間です。

 

―すべてBarの皆さんで企画・運営されているんですね。

樋口 おっしゃるとおり、代理店やメディア、メーカーなどを介さずに、イベントの内容から印刷物のデザイン、発注までをすべてBarのメンバーで行っており、バーテンダーたちの思い入れと個性が存分に詰まったイベントだと自負しています。最初は福岡市内の5店舗で始めたのですが、今回は札幌、秩父、東京、京都、熊本を含め、23店舗のBarが参加しています。

―どのようなきっかけで始まったのですか?

樋口 九州の酒文化の向上と飲食業界の活性化の一助になればと、2010年、福岡をはじめ九州で活躍するバーテンダーや酒販店の有志が集まって「クラブ・バッカス」という団体を立ち上げ、そのメインイベントとしてウィスキーに関するセミナーと試飲・試食を合わせた、「ウィスキートーク」という1日限定のホールイベントを開催しました。そのとき、せっかく店舗があるのだから自分たちのBarを舞台としてウィスキーの素晴らしさを広める催しができないか、という話が持ち上がったのが「モルト・オデッセイ」が始まったきっかけです。

「ウイスキートーク」は毎年6月に開催していて、今年は1100名を超えるご来場がありました。次回は来年(2017年)6月18日(日)に開催しますので、こちらもぜひご参加いただきたいですね。

 

―回ったお店の数などに応じて各種賞品が用意されています。すべてのBarを回るともらえる「全店賞」はともかく、すべてのBarで指定された5杯のウィスキーをすべて飲まないといけない「パーフェクト賞」は相当難しそうですが、かつてクリアした人はいらっしゃるのですか?

樋口 前回は、女性3名と男性4名の合計7名の強者(つわもの)がいらっしゃいました。参加が12店舗でしたので、1店5杯で合計60杯。それも前回までは1か月間での開催でしたので、相当ハードですよね。スタンプラリー形式にしているものの、私たちとしては、敷居が高いと言われるBarを訪れるきっかけとしていただくことが本意ですので、決して制覇することを強要するような言動は控えているのですが、クリアされた皆さんは、条件がハードであればあるほど“燃える”方々のようで・・・(笑)。

―今回は前回のほぼ2倍の23店が参加されるんですよね・・・。

樋口 おっしゃるとおり、期間は2か月間となりましたが、参加は23店舗で、1店5杯で合計115杯! さすがにパーフェクトを狙う人はいないだろうと思っていたのですが、すでに2名、「挑戦する!」と宣言されています(笑)。お二人とも福岡在住で、お一人は女性です。東京、京都、熊本はまだしも、秩父(埼玉)と札幌が難関で、その2都市は1店ずつですからね。大変ありがたく、嬉しいことですが、実はちょっと心配です。大丈夫かな(笑)。

 

―ところでイベントタイトルの「モルト・オデッセイ」という響きが素敵ですね。どういった意味を込めて名付けられたのか教えてください。

樋口 「オデッセイ(Odyssey)」とは古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩の一つで、英雄オデェッセウス(ラテン名:ユリシーズ)の放浪の冒険談。私たちの人生は様々な人やモノとの出会いによって編まれていきますが、行ってみなければわからない、出会ってみないとそこから何が生まれるかわからない。深い背景と豊かな魅力を湛えたウィスキーとの出会いも、かくあるべし、というところでしょうか。

―何だか壮大なイベントに思えてきました。それでは最後に、読者の皆さんに一言お願いします。 

樋口 福岡で暮らす私たちは、気づいているようで存外気にしていなかったりするのですが、福博の街は本当に恵まれていると思います。“夜の充実”もその一つ。お気に入りのBarや行きつけのBarを見つけること、また、見つけようとすることで皆さんの楽しみや癒しの引き出しを増やしていただけたらと思っています。どうぞ、気楽にドアを開けてください。あ、パーフェクト賞は狙われなくても大丈夫ですから(笑)。

2016年9月28日 「Bar Higuchi」にて

※情報は2016.10.14時点のものです

AKASAKA BOY

謎のライター

1978年福岡市赤坂生まれ。福岡の街の魅力を小説形式で発信中☆

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