
ITに特化した学童保育を運営――テクノロジーの本質を見る目を養ってほしい
今回は、IT企業の「グルーヴノーツ」(福岡市中央区)会長の、佐々木久美子さんにお話をうかがいました。佐々木さんは福岡県出身。小学5年生のときからプログラミングを始め、プログラマー、SE等を経て2000年株式会社アイキューブドシステムズ入社。2011年、株式会社グルーヴノーツを創業し、現在は代表取締役会長として多忙な日々を送っておられます。
仕事への思いや、ITに特化した学童保育についてのお話もうかがいました。
――まず、起業のきっかけを教えてください。
福岡市内のIT企業「アイキューブドシステムズ」に勤めていましたが、そこを辞め、東京の会社に移ることになっていました。その矢先に、あの東日本大震災が発生し、東京行きはいったん保留になりました。当時、息子はまだ3歳。子どもを育てながら働くにはさまざまな制約が生じます。自分の思うように働きたいと思ったとき、「起業」という選択肢が浮かんだのです。
その年の7月に起業しました。当時は、女性の起業家が少なく、相談窓口もなかった。会社としての「信用」を得るために、いろいろ大変な思いをしました。
――社員の皆さんは、それぞれの生活に合わせた働き方をしているそうですね。
営業時間は午前10時~午後6時半ですが、社員の勤務スタイルはさまざまです。育児や介護をしている人は、事情に応じて在宅勤務をしています。弊社は東京にもオフィスがありますが、東京出身者が、帰省中にそこで仕事をすることもあります。
副業も認めています。父親が経営する会社の役員を務めている人もいますよ。喜んで働いてもらうために、会社が社員の事情に合わせるという方針です。会社と社員は、「持ちつ持たれつ」の関係であると思っていますから。
私は、人生という大きな枠のなかに、仕事や、子育てなどのライフイベントがあるととらえています。固定観念にとらわれない会社づくりを目指しています。
――今年4月からは、ITに特化した学童保育「テックパークキッズ」を運営しておられますね。
コンピューター好きの、強い志を持った子どもたちが通っています。弊社のエンジニアが指導し、遊びながら楽しく学んでいます。テクノロジーは、人類の進化を補完するものだと考えています。その本質を見る目を養ってほしい。
最長午後9時までお子さんを預かっており、食事、シャワーなどもここでできます。帰宅したらあとは寝るだけ、という状態であれば、働く親御さんも安心です。私自身の体験から必要性を感じたのです。
運営を始めてから、学校関係者の方々とお会いする機会が増えました。保護者の方から相談を受けることも多いです。学校で講演する機会もあります。テクノロジーの世界でいま何か起きているのかを伝え、啓蒙していきたいと思います。
子どもは未来の宝。どのお子さんも、幸せになってほしいですね。
――お忙しい毎日ですが、健康法、リフレッシュ法は。
毎朝、ゆっくりお風呂に入ります。スマホでニュースをチェックしながら、感じたことをメモします。講演の内容に役立つヒントが浮かぶこともあります。
健康法で言うと、管理栄養士に食事の指導を受けています。食事の写真を送り、不足している物をアドバイスしてもらうのです。
仕事柄、外食が多いので、週末は自分で作るよう心掛けています。小3の息子に食べたいものを尋ね、それを作ってあげることが多いですね。
伊万里、小石原、萩焼きなどの陶器が好きで、作った料理を好きな器に盛りつけるのも楽しみです。
今は両親の近くに住み、支えてもらっています。仕事が忙しいときや海外出張のとき、子どもを見てくれるので、とても心強いです。
――来年の抱負は。
海外への展開を考えています。テックパークキッズも、土曜日に教室を開催するなど、活動を広げていきたいですね。
現在、12月23日~1月7日まで開催する、ウインタースクールの受講生を募集しています。
興味のある方は、ぜひご応募ください。
グルーヴノーツ:福岡市中央区今泉1-19―22 天神CLASS3階
https://www.techpark.jp/kids/facility
※情報は2016.12.17時点のものです
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