災害時にこそ、信頼される気象予報士に

 今回は、テレビ西日本(TNC)お天気キャスターの益山美保さん(28)にお話をうかがいました。

 益山さんは福岡市出身。アナウンサーに憧れていましたが、空や雲を見るのが好きだったことや、自分の言葉で物事を伝えたいという思いから、気象予報士を目指します。

瞳を輝かせ、気象について生き生きと語る益山さんの姿は、とても印象的でした。

「ももち浜ストア夕方版」のリハーサルで

「ももち浜ストア夕方版」のリハーサルで

―気象予報士を目指したきっかけは?
 もともとアナウンサー志望でしたが、気象に興味があり、それを自分の言葉で伝えたいと、大学1年生のときに気象予報士の勉強を始めました。気象予報士の試験は、年に2回なんです。大学4年の卒業直前の冬に、7回目の挑戦で合格しました。

―気象予報士としての最初の勤務地は、北海道だったのですね。
 北海道は広大な土地が日本海、オホーツク海、太平洋と三つの海に囲まれ、日本で最も天気予報が難しいと言われています。そこで修業をしようと思いました。ラジオ番組を担当していた2013年3月、暴風雪で9人が死亡する災害が発生。自分の呼び掛け一つで守れる命があったのではと、深く反省しました。以来、自分の予報は人命に関わると肝に銘じています。

 北海道では、尊敬できる師匠との出会いもありました。その人からは、「災害で人が亡くなったら、気象予報士の責任だよ」と教えられました。

―現在は夕方の番組で天気予報を担当されています。心掛けていることは。
 夕方の番組なので、翌朝の通勤・通学に役立つ情報を具体的に伝えています。雨であれば、大きな傘が必要か、折り畳み傘で十分か、長靴が必要か、など、「一歩踏み込んだ解説」を心掛けています。

季節のネタを盛り込みならが、分かりやすい解説を心掛ける

季節のネタを盛り込みならが、分かりやすい解説を心掛ける

今回の九州豪雨では、臨時ニュースにも出演するなど、多忙を極めました。前日に、もっといろんなことを予測し、視聴者の皆さんにお伝えできたのではないか。当時の資料を振り返ってみて、そう思います。

普段は生活に役立ち、災害時は命を守ることが最優先です。休日は、録画した他局の天気予報を見て解説の仕方を研究します。気象予報士によって解説の仕方が違うので、とても勉強になります。

また、季節の花の咲き具合を見に、あちこち出掛けたりしています。現地の人といろいろ話し、お天気コーナーのネタにさせていただくこともあります。

―これからの目標は。
 自然の美しさと厳しさを伝え、災害時にこそ信頼される気象予報士になりたいです。小学生を対象に開いている「お天気教室」も、続けていきたいです。

 また、今回の記録的豪雨を受け、皆さんにお伝えしたいことがあります。それは、気象災害への備えを事前にして欲しいということです。できることからで構いません。地域のハザードマップで避難場所や危険箇所を確認する、水や食料を備蓄する、そして、お天気コーナーを見てもらうことも防災につながると思います。

 災害への事前の備えは、自分の命を守るだけではありません。本当に災害が起きたときに、自分以上に危険にさらされている人に救助の手が回らなくなってしまうのを防ぐこともできるのです。皆さんが災害への備えをしておくことで、誰かの命を救うことが出来るんです。事前の備えをして、自分の命は自分で守り、救助する人たちが全力で救助活動ができる環境を作りましょう。

本番直前にカメラを向けても、笑顔で応じてくださいました

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※情報は2017.8.5時点のものです

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