スターフライヤーが、実践的「エアライン講座」を開催しました

 「航空業界で働いてみたい」。しかし、それを実現するために何をしたら良いのかわからない人も多いと思います。そんな人のために、航空会社による新たな試みを紹介しましょう。

 スターフライヤー(北九州市)は、3月26、27の両日、航空業界に興味のある人を対象に、「スターフライヤー エアライン講座」を開催しました。

 会場は、北九州空港(小倉南区)にある同社の本社。アネックス棟、空港ターミナル棟、トレーニングセンターと、業務の現場をフルに使って、臨場感を感じられる機会になります。

 上の写真は、緊急時に使う脱出スライド(すべり台)の説明です。実際には経験しない方が良い状況なので、実物と同じモデルを目にできる機会は希少です。

 機内のモックアップ(原寸大模型)の中です。まちなかの教室での座学よりも、こんな雰囲気の中で話を聞いたほうが、頭にすんなり入ってくる気がします。

 教官は、西山淳(あつし)さん。入社10年目、経験豊富な客室乗務員(CA)です。昔から女性の職業のイメージが強いCAですが、スターフライヤーには、12人の男性CAが在籍(2019年3月現在)、お客様の安全確保とサービスに努めています。さらに、昨日4月1日に3人の男性がCA候補として入社、訓練を終える3カ月後には、男性CAが15人になる見込みです。

 そんなわけで、男性の受講者もいらっしゃいます(手前の男性)。参加27人のうち4人とは、なかなかの確率です。ホテルマンは男性が多いことを考えると、CAが男性でも不思議はないですよね。毎日のように長距離を移動するお仕事なので、当然体力も要りますし。 

 

 現役のパイロットの話を聞く機会というのもなかなかありません。お話をしたのは、この日早朝3時起きで既にフライトを終えて駆けつけた坪内久弥さん。あらためて「飛行機が飛ぶしくみ」から、安全で快適な運航のために、風や気流の状況をみながら、管制官の指示を頼りに最適な飛行ルート、高度を選び、降下する速度の調整にも細心の注意を払う乗務の様子をわかりやすく伝えました。

 大事なのは、「定刻に出発すること」だそうです。それが安全性にも快適性にもつながり、お客様の要望に沿うことにつながります。会場からの「どんなフライトが良いフライトですか?」の質問にも、「安全で時間通りにお客様を届けること」との答え。基本的なことのようで、一番難しいことなのかもしれません。

 京都出身の坪内さんですが、「働きやすい社風」と友人から聞いて、縁あって九州のスターフライヤーにいらっしゃいます。飛行機の上では、スタッフ同士のコミュニケーションが重要と強調されましたが、充実した表情に、それが出来ていることが感じられました。

 航空会社といえども、業務は空の上だけではありません。

 営業本部マーケティング部の辻安希子さんは、「認知していただかなければいけない。そのためのブランド戦略」と話します。

 有名芸能人を起用して大量のCMをするのではなく代わりにお客様を大切にする「思い」を、ブランドの方向性とともに伝えることに注力しているそうです。

 2日間の講習を終え、松石禎己社長から終了証を授与されます。みなさんお疲れ様でした。

 運営に携わったスタッフが、参加した方々の感想を聴き取りました。

①同じ運送業として安全や接客を学ぶために受講した。今回学んだことを持ち帰り、仕事に活かしたい。(30代男性/会社員)

②様々な部門の社員の生の声を聞いたあとで、北九州空港の展望デッキよりスターフライヤー機を見送った際、運航には多くの人がかかわっている、という実感が湧いた。(20代女性/大学3年生)

③はじめてモックアップに入り、客室乗務員の細かな気付きを学んだ。次回搭乗する際は、今までとは違う視点でサービスを観察してみたい。(10代女性/専門学校1年生)

 それぞれ、机の上の知識では得られない経験を持ち帰られたようです。今後航空の仕事に就くにしろ、別の道を歩くにしろ、どこかで生きる、得難い貴重な時間になるはずです。

 スターフライヤーは、日本生産性本部が実施する「顧客満足度指数調査」の国内航空部門で、昨年まで10年連続の1位を達成しています。その従業員の持つ能力、ノウハウを社外の人に伝えるとともに、航空業界に興味のある方同士の良い出会いの機会を作るために、今回の講座を企画、実現しました。

 有料であるにも関わらず、たった2日で定員が埋まってしまい、お断りした希望者も多かったといいます。時期は未定ですが、4月以降も、今回の参加者の声を反映、さらにグレードアップした講座を開設する予定だそうです。

※情報は2019.4.5時点のものです

スターフライヤーの「エアライン講座」

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