シリア映画「それでも僕は帰る」 若者たちの切実な叫び、緊迫のドキュメンタリー 福岡市・中洲大洋で上映

内戦や紛争が続く中東シリアで、民主化のために立ち上がり、反政府運動を続ける若者たちを追ったドキュメンタリー「それでも僕は帰る~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~」が、福岡市・中洲の中洲大洋で公開されています。

映像には、シリアの現実が生々しく映し出されています。ドラマではない、現実の世界です。

映画の一場面

映画の一場面

【ストーリー】

2011年に始まった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動の波。その影響を受け、シリアでも2人の青年が立ち上がった。サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していた当時19歳の青年バセットは、そのカリスマ性から若者を惹きつけ、平和を訴えるシンガーとして民主化運動のリーダーになっていく。彼の友人で、有名な市民カメラマンである24歳のオサマは、デモの様子を撮影し、インターネットで公開することで、民主化運動を広げようとする。
バセットは歌で、オサマは映像で、それぞれ非暴力の抵抗運動を先導していたものの、2012年2月、政府軍の容赦ない攻撃によってホムスで170人もの市民が殺害されたのを機に、バセットと仲間たちは武器を持って戦い始める。
彼らはなぜ戦い続けるのか、生きることとは、戦争とは、ふるさととは……。シリアの民主化運動の中で生きている人々の“リアル”が映し出されている作品。

この映画を日本で上映するために奔走した映画配給会社「ユナイテッドピープル」(福岡市)のアーヤ藍さんは、内戦状態となる直前の2011年3月、シリアに約1カ月滞在した経験があるそうです。

シリアの友人たちとアーヤ藍さん(右)

シリアの友人たちとアーヤ藍さん(右)

 人なつっこい友人たちや歴史の詰まった街並み。アーヤさんが撮影した写真には、シリアの美しい風景が広がっています。

アレッポ城

アレッポ城

アレッポの中心にあるモスク

アレッポの中心にあるモスク

シリアで出会った友人(右)とアーヤさん。

シリアで出会った友人(右)とアーヤさん。

滞在していたアレッポ大学の寮の部屋から、旅立ちの朝に見た日の出

滞在していたアレッポ大学の寮の部屋から、旅立ちの朝に見た日の出

これらの美しい風景が、友人たちの笑顔が、戦いによって失われている現実。この現実を世界に発信したいと命がけで撮影された映画「それでも僕は帰る」。アーヤさんは、この映画を「絶対に日本で上映する!」と誓い、文字通り奔走して上映実現となりました。

 

映画の中で、シリアの若者は歌います。

 

世界中の兄弟たちよ。
俺たちはここで あなたたちを待っているんだ。
この叫びを 無視するというのか?
無関心な自分に 胸を張れるのか

 

遠い国の出来事では済まされない、彼らの切実な思いと叫びが込められた作品。アーヤさんは、「シリアの変化を見て強く感じるのは『穏やかな日常も簡単に壊れうる』ということ。映画に出てくる人物たちは、殺人鬼なわけでも、訓練された兵士でもなく、私たちと変わらぬ日常を過ごしていた若者たちです。今の日本の平和な状態も、決して『当たり前』のものではないと思いますし、武器を手に取ることで人は変わってしまうことを、現実をそのままに撮ったこの映画を通じて、何か感じていただければ嬉しいです」と話しています。

映画の一場面。美しい街並みの面影はどこへ・・・。

映画の一場面。美しい街並みの面影はどこへ・・・。

上映は8月21日までの予定。戦後70年を迎えたこの夏、ぜひ、多くの方に見ていただきたい作品です。

 

※情報は2015.8.10時点のものです

福岡中洲大洋映画劇場

住所福岡市博多区中洲4-6-18
TEL092-291-4058
URLhttp://www.nakasu-taiyo.co.jp/

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