ワールド・ネイキッド・バイク・ライドに感動☆どくだみJAPAN

1999年7月17日、何曜日だったかは覚えていないが、異様に暑い日だった。その日、30歳の誕生日を2週間後に控え、12時間のフライトで自分の汗臭さを感じながら、ロンドンに降り立った。行き先を書いた小さなメモをタクシードライバーに渡し、空港からカムデンタウンへ。道中、タクシードライバーが色々と話しかけてくるが、ちっとも分からない。日本で受けたTOEICのスコアは良かったのだが、テストなんて当てにならないものね、と人ごとのように思いながら、それでも何の不安もなく、これから始まるロンドン生活に胸をふくらませ、ロンドンの空気を心から楽しんだ。

学生時代からの念願の海外生活。会社からの1年間の留学派遣ではあったが、後にそれが9年もの長期滞在になることすらつゆ知らず、久々の学生生活にわくわくしていた。毎日、何をしても、どこに行っても、とにかく気分がポジティブで楽しくてたまらない。30歳を目前にしたこんな歳でも、こんなに子供のように楽しい感覚を覚えることができる、そのことを、とても新鮮に思った。はたして、何がこんなにも私を楽しくさせるのか。

 

それは、人間が人間らしくいれること。社会規範の強い日本社会で、年齢や性別が大きくものを言う20代、自分では気がつかないままに体内に溜まっていたストレスが一気に解消された気がした。長く続いた便秘が解消したような、そんな開放感。公共の場で大声で喧嘩をする男女、電車に乗り遅れそうになりドアを力でこじ開ける男性、簡単にナンパしてくる若い男性陣、知らない人にもすぐに声をかける文化。周囲に迷惑をかけないようきちんとすることを教育されてきた日本人からすると、どこか、原始的な印象すら覚えた。

 

それを象徴するイベント「ワールド・ネイキッド・バイク・ライド」。石油への依存や車の利用増加に対する反対活動の一環として、全裸で自転車に乗って街中を走り回る啓蒙目的のイベント。文字通り、自転車に乗った裸の老若男女がロンドンの伝統の街を占める。身体が商品化されることなく、みんなが平等に楽しくイベントに参加するその光景を見て、素直に感動した。社会的な主張を共有する個々人が、楽しみながら参加する感覚が素晴らしいと思った。もちろん裸になる勇気のない私は、写真撮影に徹したが、イギリス生活が長くなるといずれ裸で参加できる日も遠くはない、とふと思った瞬間だった。日本ではあり得ないですけどね・・・。

参照:METRO.CO.UK

 【どくだみJAPAN☆は毎週月曜日午後9時にお届けします】

※情報は2014.7.28時点のものです

モンキーディーバ

大学卒業後、大手広告代理店を経て渡英。ロンドンでは日本文化の専門家としてBBCラジオに出演。ディレッタントとしてロイヤルアルバートホールで歌った経験も。現在は、英国人の夫とふたりの子供、生まれたてのボーダーコリーと糸島でスローライフ満喫中。

この記事もおすすめ