まるで佐賀版「ななつ星」!? 沿線グルメともてなしを楽しむ列車の旅

 佐賀県の有明海沿岸の地域は、農業も漁業も盛んで、近年は日本酒のおいしさでも注目されています。そんな有明海沿岸地域の食べ物やお酒を堪能できる“グルメ列車”の旅が実施されると聞き、参加してきました。1日では味わい尽くせない沿線グルメの魅力を、旅の様子とともにお届けします。

年季の入ったけん引車両

佐賀の食材をふんだんに使った特製弁当

 今回の旅は、JR博多駅(福岡市)と長崎線の多良駅(佐賀県太良町)を約6時間かけて往復し、車内や停車駅で沿線地域のグルメを楽しむというもの。通常は熊本-人吉間を走っている「SL人吉」の客車が、特別にこのルートを運行しました。SL人吉の客車が、長崎線を走るのは初めて。カメラを持った列車ファンなどから注目される中、博多駅をスタートしました。

SL人吉の車内

 風情ある木目の車内。出発して間もなく、お弁当が配られました。お弁当は日本料理の老舗「なだ万」が監修したもので、佐賀牛や有明鶏など佐賀の食材がふんだんに使われています。重箱2つで1人前。色鮮やかに盛りつけられた料理に心が弾みます。

「なだ万」監修の特製弁当

 まずは佐賀牛のサーロインステーキをいただきます。上品な肉の脂が口の中に優しく広がります。

佐賀牛のサーロインステーキ

 佐賀県白石町の特産品「白石レンコン」を使った「しろいし蓮根饅頭和風餡かけ」も美味。

白石レンコンを使った「しろいし蓮根饅頭和風餡かけ」

 有明海の干拓地が広がる白石町は全国有数のレンコンの産地。ミネラル豊富な粘土質の土壌が、レンコン栽培に適しているのだといいます。自宅ではなかなか、こんな手の込んだレンコン料理を作ることはないので、うれしいですね。

 もちろんお米も佐賀県産です。どの料理も上品で控えめな味付け。素材のおいしさがしっかりと伝わってきます。

 

日本酒の魅力

 こんな上品な和食に合わせたくなるのは、やはり日本酒ですね。最初にいただいたのは、「純米吟醸 能古見」(鹿島市の馬場酒造場)。口当たりがまろやかで、ほどよいキレと余韻が感じられます。

1杯目の日本酒

 今回のグルメ列車の旅ではなんと、7種類もの日本酒を試飲できるそう。2番目にいただいた「肥前蔵心(ひぜんくらごころ) 純米吟醸」(鹿島市の矢野酒造)は、フルーティーな香りが印象的。旅の気分を華やかに盛り上げてくれます。

 3番目のお酒は、おなじみの「鍋島 純米吟醸 山田錦」(鹿島市の富久千代酒造)。英国で開かれた「インターナショナル・ワイン・チャレンジ (IWC) 2011」で「鍋島 大吟醸」が日本酒部門の最優秀賞に選ばれるなど、「鍋島」は全国的にも知名度の高いお酒です。コメのうまみがふわっと広がります。

 こうして味や香りの異なるお酒を飲み比べていると、この地域の日本酒の奥深さを感じます。

 今回、車内で日本酒を紹介してくれたのは、「佐賀酒アンバサダー」を務める庄島瑞恵さん。「今はキレのある淡麗辛口な日本酒だけでなく、まろやかさもある日本酒に注目されています。佐賀のお酒に追い風が吹いていると思います」と語ってくれました。

 列車は鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)を経由して、長崎線へ。車窓には、稲刈り後の田んぼの茶色と青空のコントラストが美しい景色が広がります。

 

沿線のおもてなしに感動

 今回の旅の魅力は、グルメだけではありません。駅や沿線では、地元の人たちが温かく迎えてくれました。

 「佐賀のへそ」をうたう江北町にある肥前山口駅では、男性たちが腹踊りを披露してくれたり、沿線の田畑で子どもたちが旗を振ってくれたり・・・。車内では、佐賀出身の偉人・副島種臣に扮した男性が「有明海苔」を配ってくれました。心も満たされ、日本酒が進みます。

駅のホームで披露された腹踊り

 ほろ酔い気分になったところで、列車は肥前浜駅(佐賀県鹿島町)に到着。駅前には、食材やお酒を販売する特設のブースが並び、ステージでは着物を着た女性たちが踊りを披露してくれました。

列車が停車した肥前浜駅の前に設けられた利き酒コーナー

 日本酒の利き酒にも挑戦! 味の違いははっきり分かったのですが、残念ながら銘柄までは当てられませんでした・・・。

肥前浜駅を出発する列車を見送る女性たち

 

有明海の特産「竹崎カニ」も美味!

 列車は肥前浜駅を出発し、有明海沿岸を走っていきます。

車窓から見る有明海

 折り返し地点となる多良駅に停車。駅のある佐賀県太良町は「竹崎カニ」が有名で、駅のホームでは地元の人たちがカニ汁を盛りつけ、車内へ運んできてくれました。

ぎっしり詰まった竹崎カニ

 もうお腹はいっぱいのはずなのに、カニ汁の湯気を見ると食欲が湧いてきます。

駅のホームでカニ汁をよそってくれました

湯気がたまりません

 まずはひとすすり。カニのうま味とまろやかな白味噌が絶妙にマッチ! 温かい汁が体に染み渡ります。「あぁ、おいしい」「あぁ~」。車内のあちらこちらから漏れる感嘆のため息。竹崎カニの甲羅は柔らかく、甲羅ごとバリバリと噛んでカニのエキスを味わい尽くしました。

 

車窓の景色を堪能

 復路は先頭の客車に移動し、ゆったり景色を楽しむことにしました。大きな窓ガラスの先に広々とした景色が広がっています。

先頭車両から見る景色は抜群です

 さらに日本酒を味わいます。今回特に印象に残ったのが、峰松酒造場(鹿島市)の「肥前浜宿 純米吟醸 無濾過原酒」と、峰松酒造場の酒粕を使った「粕漬クリームチーズ」の組み合わせ。お酒は甘口で、味も香りも濃厚です。粕漬クリームチーズは、酒粕とコロコロとしたクリームチーズと合わせたもので、ねっとりとした食感と濃厚な甘さがクセになりそう!

酒粕とクリームチーズを合わせたおつまみ

 箸でちびちびと粕漬クリームチーズをつまんでは、お酒を一口・・・。至福の時間でした。お酒を飲みながら、こうして車窓の景色を満喫できるのは、列車の旅ならではですね。

沿線では、列車の通過に合わせてバルーンを飛ばすおもてなしも

 締めには、江北町の「今村温州」というミカンのジュースや、佐賀県産の新種のイチゴ「いちごさん」をいただきました。

 ジュースは、濃縮還元などではなく果実をそのまま絞ったもの。糖度の高い「今村温州」のおいしさを余すことなく味わうことができます。飲み慣れたミカンジュースだからこそ、その違いがはっきり分かります。いちごさんは佐賀県肝いりのイチゴで、11月中旬に県内で初出荷されたばかり。評判どおり色つやがきれいで、実もぎゅっと詰まっています。一口かじると自然と笑みが・・・。早速味わえてラッキーでした。

今村温州みかんのストレートジュース

 そうこうしているうちに、列車はあっという間に終点の博多駅に到着。泥付きの状態で袋詰めされた大きな白石レンコンなど、いろいろなお土産ももらい、大満足の旅になりました。

 沿線の豊かな食、景色を堪能し、心温まるおもてなしに感動した今回の旅。まるで豪華観光列車「ななつ星in九州」の佐賀県版のようでした。次回は「太良町の竹崎カニ」「鹿島市の酒蔵ツーリズム」などと目的を絞って、じっくりと巡ってみたいと思います。

 

<旅のメモ>

佐賀版グルメ列車日帰りの旅
開催日:11月25日(日)
参加費:税込み9,800円(お土産込み)
実施:JR九州営業部法人旅行センター

竹崎カニ・竹崎カキ
お店の情報など、詳しくは太良町観光協会へ。
電話:0954-67-0065

鹿島酒蔵ツーリズム®2019
開催:2019年3月23日(土)、24日(日)
※第5回嬉野温泉酒蔵まつりも同時開催
イベントの詳細はウェブサイトで。
問い合わせ:鹿島市商工観光課
電話:0954-63-3412

【企画制作】西日本新聞社メディアビジネス局

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※情報は2018.12.13時点のものです

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