あなたの家庭はT字型?それともY字型?☆どくだみJAPAN

アメリカで幼少期を過ごした帰国子女の兄嫁が、ワインを片手によく言った。

 

「海外の家族関係ってT字型なんだけど日本の場合はY字型なんだよね。うちはT字型でいきたかったのに気がついたらY字型になってしまって悲しい。」

 

私が結婚する前の話である。兄嫁の言うところのT字型とは、父と母がつながっていてその下に子供がいることY字型とは子供がコミュニケーションの中心になっていて、父と母が子供を通してつながっている、あるいは子供を通してしかつながれない、という家族関係のことである。「海外の家族」といっても世界には色々な文化が存在するんだけどなぁと思いつつ、気がつくとワインボトルが空いてしまう楽しい会話だった。

文化や価値観が違えば家族のかたちも多種多様…

そして今、私は、英国人と結婚し、年長、年少の二児の母である。うーん、夫は外国人なのに、悲しいかな、うちもY字型である。子供がいつの間にかコミュニケーションの中核を仕切っているではないか。一方、ロンドン在住の夫の義兄夫婦は、四人の子供をもつ結婚歴30年のベテラン夫婦であるが、未だに、出かけるときはいつも手をつなぎ、ディナーの場でも、夫婦間のロマンチックでやさしいスキンシップが普通に見られる。子供たちもそれが普通の光景なので、親を男と女のカップルとして見ている。

 

この違いはどこから生まれるのかを考察してみた。

 

まず、イギリスでは赤ちゃんは1歳に満たない時点で別の部屋に寝る。夜7時頃には寝かせて、それから夫婦の優雅な会話が始まるのである。夫は最初、子供を別の部屋に寝かせたがったが、私の主張で、家族四人、雑魚寝状態。今では夫は、「イギリス人の親は大切なものを体験し損なっている」と言うようになり、子供と一緒に寝る事の喜びを痛感しているようである。ただ、これも、Y字型になる一因である。

イギリスパターンのアザラシ夫婦

イギリスパターンのアザラシ夫婦

 

ジャパニーズスタイルのアザラシ一家

ジャパニーズスタイルのアザラシ一家

次に、イギリスでは女性は普通に職業をもち続けるため、家事の多くを外注する。つまり、週に1~2回、クリーナーがやってきて掃除をしてくれるし、ナニーが子供の送り迎えもやってくれる。子供たちも、家族でない他人の大人と接する事に慣れている。義兄夫婦に至っては、夫婦の寝室はスイートルームになっていて鍵がついており、子供たちとシャワーやトイレを共有しない。つまり、家族でありながら、母は子供に見せるプライベートな部分を制限している。子供たちは滅多に親の寝室に介入しないのである。

 

この徹底したプライバシーが、大人としての自分の在り方や世界観を維持することにつながっているのではないか。だって、私の人生、今や全くプライバシーはないですから。トイレに入っていると突然ドアが開き、ママ、大きくなったらドラえもんになりたい、と突入してくる。シャワーを浴びていると、ママ、ミルクついで、と強要してくる。私には拒否権が全くないのである。しまいには、夫と話していると、パパ静かにして、ママと私が話してるんだから、とまで言われてしまう。会社で疲れて帰ってくるとたちまち子供たちのしもべと化す生活は、それはそれで非常に幸せなことではあるが、最近、一人の時間が欲しくて仕方がないのは、贅沢な悩みなのだろうか。

※情報は2014.9.24時点のものです

モンキーディーバ

大学卒業後、大手広告代理店を経て渡英。ロンドンでは日本文化の専門家としてBBCラジオに出演。ディレッタントとしてロイヤルアルバートホールで歌った経験も。現在は、英国人の夫とふたりの子供、生まれたてのボーダーコリーと糸島でスローライフ満喫中。

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