朝倉の未来の街づくりを共に考える 朝倉ファムトリップvol.3 ~若者編~

 朝倉商工会議所(朝倉市)と西日本新聞社が2017年7月に発生した九州豪雨からの復興を共に考える企画「朝倉ファムトリップ」。第3回目は、1泊2日で福岡都市圏在住の若者(学生たち)が「朝倉の未来の街づくり」を考えました。

第3回目朝倉ファムトリップの参加者とスタッフ 共星の里にて

第3回目朝倉ファムトリップの参加者とスタッフ(朝倉市の「共星の里」で)

 若い世代の声と知恵で朝倉を元気に―。昨年10月に始まった第1弾(女性編)第2弾(外国人編)に続く第3弾の開催となり、福岡県内の大学に通う学生たちを招待。最終回となった今回は5月10、11日に実施され、日本経済大学、福岡大学、西南学院大学、久留米大学の学生など男女計9人が参加し、地域の歴史や文化に触れながら朝倉の魅力を高めるためのアイデアに思いを巡らせました。

 一行は10日夕方に朝倉市入り。復興への取り組みなどの座学を受けました。講師は、西日本新聞社の現役記者2人。九州豪雨の被害状況や復興への取り組みを取材し続けている朝倉支局長と、長崎県の雲仙・普賢岳の取材を昨年の夏まで担っていた前・島原支局長が、実際に情報を掲載した新聞紙面を使いながら、各所の取り組みを紹介しました。災害からの復興を目指す現場で働く記者の生の声を聞き、学生からも相次いで質問が飛びました。

セミナーの様子①朝倉支局長から九州豪雨の被害状況や復興への取り組みを学ぶ参加者たち

セミナーで、朝倉支局長や前・島原支局長から九州豪雨の被害状況や復興への取り組みを学ぶ参加者たち

 11日は2班に分かれ、朝倉市の城下町・秋月で江戸時代から伝わる手すき和紙作りや、豆腐を使った食品加工を体験。和紙作りでは、秋月地区で唯一和紙業を営む「筑前秋月和紙処」で、4代目店主・井上賢治さんから秋月地区での和紙作りの歴史を聞き、その後1人ずつ紙すきを体験しました。初めての手すき作業に戸惑う参加者もいましたが、思い思いに和紙作りに取り組みました。また、豪雨災害時の床上浸水についても話を聞き、店内に残る土砂などを見学しました。

筑前秋月和紙処にて和紙作りを学ぶ参加者

「筑前秋月和紙処」で和紙作りを学ぶ参加者

 その後、街を散策しながら、朝倉市役所の隈部敏明さんから秋月地区の歴史や史跡などの説明を受け、アジア雑貨などを販売する「ろまんの道」へ。トータルコーディネーターの九十九宗一さんの案内で施設を見学し、ろまんの道が秋月で実施している地域の行事や取り組みの説明も聞きました。

東南アジア雑貨などの販売を手掛ける「ろまんの道」を見学

東南アジア雑貨などを販売する「ろまんの道」を見学する参加者

 豆腐工房ぬくもり畑では、食品加工を体験。営業統括マネージャーの中村富美夏さんから、ぬくもり畑の商品やレストラン運営のこと、そして豪雨被害を受けて取り組んだ子どものための祭りの話などを聞きました。その後は、ぬくもり畑のオリジナル商品「トウフパテ※」を作りました(※豆腐の味噌漬けときな粉、オリーブオイルを混ぜたオリジナルのパテで、パンによく合います)。

ぬくもり畑で食品加工体験にのぞむ参加者たち

ぬくもり畑で食品加工体験にのぞむ参加者たち

 加工体験後は、林農園を訪問。代表の林誠吾さんは、果樹栽培に適した朝倉地域の環境、林農園の取り組み・商品紹介、日本の農業の課題などについて、幅広いテーマで語りました。

林農園・林氏による講演

幅広いテーマについて語った林農園の林誠吾代表

 フィールドワークを終えた2班は合流し、被災した黒川地区の廃校を活用した美術館「共星の里」で朝倉商工会議所のメンバーとのワークショップに参加。1日目のセミナーと2日目午前中のフィールドワークを振り返り、さまざまな「気付き」を発表しました。

ワークショップでは様々な意見を出しあいました

ワークショップではさまざまな意見を出し合いました

 その後、学生たちは複数のチームに分かれ、チームごとにデスク(編集責任者)を選出。震災関連の記事を切り貼りした、ダイジェスト版の新聞を制作しました。復興のアイデアも出し合い、3年後に各々のアイデアが実現していることを想定して「3年後の復興特集」の1面トップ記事を制作。記事の中で、旧秋月藩の侍に扮(ふん)する体験ツアーや、特産のナシやカキの木のオーナーを募る企画など、17のアイデアが示されました。

ダイジェスト新聞を作成

ダイジェスト版の新聞を作る参加者

  単に「元の朝倉に戻す」のではなく、「朝倉の未来を創る」ことを目標として企画された本ツアー。ツアーを通じて生まれた朝倉の魅力を伝えるためのアイデア(モノ、コト、情報)の発信や、朝倉をフィールドにした新たなビジネスの創出へ向けて、朝倉商工会議所と西日本新聞社は、近く復興の具体策となる「朝倉元気化計画」をまとめる予定です。

※情報は2019.5.17時点のものです

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