
願いが叶う神話の島【マン島・Isle Of Man】機関車トーマスとバイクレースにも注目!〜珍国の女王〜
- 2015.7.24
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- 珍国の女王 度々世界旅
「次はマン島に行くノダ。」
と友に告げると、
「バイクレースがあるところじゃないか!!」
とやたら興奮して言う。
モータースポーツには疎い女王。
調べてみると、どうやら年に一度、島内60kmのコースをバイクが100〜300キロ位のスピード走り抜けるレースがあるらしい。
それが【TTレース Isle Of Man】
実はそのレース、2015年は5/30〜6/12まで開催。
渡航日の10日後だった。
興味はなかったくせに、そんなに有名なレースなら見てみたかったと思い、珍国の陛下に、何故その日に予定を組んでくれなかったのですか?と物申すが、野宿で良かったのですか?と返される…。
世界中から人が集まるバイクレース…だよね。宿が取れる訳がない。
世界は知らないことが多いな~と痛感しながら、いつもの通り渡航前のマン島の予習に熱が入る。
世界各地の色んな地域を調べれば調べるほど、どんどん興味が湧いて来て、興奮して楽しくなる。寝る間も惜しむ。
そんな自分に出会う時、自分がどれだけ旅好きか…ということを思い知る場面でもある。
それでは、マン島のことを少し。(歴史的背景はかなり要約しています。)
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マン島の場所はココ。
前回ご紹介した、ガンジー島&ジャージー島と同じようにマン島もイギリス王室直轄地。
※ガンジー島のコラム⇒https://fanfunfukuoka.com/travel/26772/
※ジャージー島のコラム⇒https://fanfunfukuoka.com/travel/27987/
新石器時代、青銅器時代、鉄器時代を経て8世紀終わりごろに、ヴァイキング(スカンジナビア・バルト海一帯の海賊)が住み始める。
12~13世紀は支配権が安定せず、スコットランドとイングランド間を行ったり来たり。14世紀初めにマン島はイングランド王家のものとなり、伯爵の子孫がマン島領主となった。
しかしその子孫が途絶えてしまうと、またスコットランドが入り込んだが、年金を受ける為に最終的にはイギリス政府に7万ポンドで売却したという経緯がある。
人口は約9万人。主産業は農業と観光。
やはりここもタックスヘブンとして有名。特に保険業でない企業が子会社として設立する、自社専用の保険引受業者が数多く設置。
世界第32位の金融センターとして評価されている。
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冒頭にマン島はオートバイレースで有名という話をしたが、他にもオリジナリティー溢れる魅力がたくさん!
まずは島内を走っていると、よく目にするコレ。マン島の紋章とシンボル。
紋章の下にラテン語で 〜QUOCUNQUE JECERIS STABIT〜とある。
意味は〜投ぐればいずくにでも、立たん〜
分かり易く言えば、
〜どんなに投げられても、必ず立って見せる〜
という、マン島の気骨な精神を表している。
真ん中の三脚巴は『トリスケリオン』
ケルト人(中央アジアからヨーロッパに渡来したケルト語派の民族)が伝えたケルト神話は、この地に根付く。
マン島のシンボルである三脚は、神話の海の神「マナナン・クリール」が3本足だったことに由来する。
マン島の名前もここから付いた。
そして、〜QUOCUNQUE JECERIS STABIT〜という言葉は、マン島の紙幣にもこの三脚巴を取り囲むようにして印字されている。
打たれ弱い女王は、マン島の強い精神を見習おうと、ピンバッジを購入した。
まだ打たれ弱いが…。
ダグラス馬車鉄道も有名。
マン島文化遺産、世界一大きな水車!「Laxey Wheel」
普段の運動不足に不安はあったが、ゼーハー言いながら上まで上がってみた。
滑車の巨大さは恐怖を感じるほど。
ここまでは登山鉄道で行くことがオススメ。
高所にあるので、その登山鉄道から見る景観が素晴らしい。
女王は車だったので、登山鉄道には乗れず…。
でも、「これだけは絶対に乗る!何が何でも乗る!!!」と決めていた
ものがある。それは「❤機関車トーマス号❤」
現地案内おばちゃんに「あなたの分も支払うから、お願い!同行して!」
と時間がない中、無理やり頼み込んだ。
だって、大好きな機関車トーマスのモデルになった機関車だもの!
このチャンスを逃す訳にはいかん!
方向音痴でいつもは要領が悪い女王も、こういう時は最大限の力を発揮。
出発時刻も、仕事に差し支えないであろう区間も事前調べでバッチリ!
ここまでは相変わらずおっちょこちょい炸裂だった女王だが、この完璧さにおばちゃんも、「私が調べる手間が省けたわ♪」と喜ぶ(笑)
レトロな車内は1905年、当時のまま!
のんびりした田舎の風景が続く。
頭の中では、世界の車窓より のBGMが…。
しかし、すぐにのんびりした風景には飽きがくる。
結局40分の大半をおばちゃんとのガールズトークに費やす(笑)
目的地の「カッスルタウン」に到着。
女王の狙いはただひとつ!トーマスのお顔を撮ること。
「えっくすきゅーずみーっ」を連発しながら、子供たちを掻き分けて前方へ。
やっと、ご対面!美しいぃぃぃ☆
機関車トーマスの後姿を見ながら、友人の子供(男の子の双子ちゃん)が機関車の「き」が上手に言えず、どうしても二人とも「ち」になってしまうことを思い出し、ひとり耐えきれないほどの笑いが込み上げた。
機関車体験の後は、カッスルタウン散策。
エリザベス1世が贈ったという針が1本しかない時計が貼り付いたお城を見たり~
女王の顔よりも大きい魚のフライ(フィッシュ&チップス)で吐きそうになったり…
美しい風景を見たり~
マン島独自の言葉「マンクス語」を話すネッド氏の博物館へ行ったり…
面白かったのは青銅器時代に作られた1000年のお墓「マンクス クロス」
種類は様々。どれも重厚で強固。倒れないぞというマン島の精神を感じる。
その後は、マン島で一番人気のアイスを食べて~
そして、そして、遂にっ!!!TTレース(オートバイレース)のコース疾走体験♪
YAMAHAさん、頑張っています!
こういった公道がコースとなる。レース中、コース周辺の人は外出出来ないそうだ。
うっかり出掛けてしまったら、レースが終わるまで家に帰れない。
仕事も休めるなら休んだ方が良いし、食料も買いだめするとか。
ここが最高速度300キロ出るという一本道!
ほんのちょっと坂のように盛り上がっているだけだが、100キロ以上のスピードで来ると、必ずジャンプしてしまう場所。
TTレースは6クラスあって、エントリーは500台近く。
たった9万人の人口がこの期間は14~15万人に増えるそうだ…。
開催期間中はどれだけのお祭り騒ぎだろうかと考えると、少しゾッとした。
出発日の朝、ドライバーさんが私に紙とペンを渡す。
「ここに、願い事を書いてちょ。」と満面の笑みで言う。「Why?」と聞いても、いいから、いいから!と笑うだけ。そして連れていかれたのがココ。
下の写真右端に小さな小川が見えるが、この辺りにマン島の妖精が住んでいるという。
アイルランドから妖精の囚人はここに流されて来るそうだが、その囚人を木に吊るしたり、川の中で暴れまくったりと、いたずら好きの妖精なんだとか。
島の伝統でこの橋を渡る時は必ず
「Cren aght ta shiu?~How are you?~」
と、ご機嫌を伺わないと、事故に遭うそうだ。
だから、ドライバーさんは「願い事を」って言ってくれたのか!なんかステキ☆
フェアリーブリッジから空港までは車で10分もかからない。
マン島独自の魅力でここまで散々楽しませてくれたが、最後にこんな素敵な感動が待っているとは思いもしなかった。
今回は女王にとって初地域の視察だったこともあり、現地の方々はそれを良く理解し、凄く良くしてくれた。ホテルでもそう、レストランでもそう。どこでもそうだった。
「人って本当にいいな~」って思える瞬間である。
そして、人間のみならず妖精たちも総出で最後まで旅人の心を癒してくれた。
マン島の 〜どんなに投げられても、必ず立って見せる〜
という精神は、人間関係においても構築されているのだと感じた。
そして、マン島に宿る命の全てにこの精神が刻まれているようだ。
こんな小さな島にこれだけの観光が充実していること、オートバイレースでは
世界中からたくさんの人が集まる事など、ただ単にこの島がイギリスに近く、
街も人も洗練されていて近代的という理由からだけだはないような気がする。
そう感じさせる不思議な神話の島「Isle Of Man」だった。
最後に、女王が書いた願い事。
「私に関わってくれている全ての人が健康で幸せでそしていつまでも笑顔でありますように。 19,May,2015」
※情報は2015.7.24時点のものです

珍国の女王
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【珍国→珍しい国→日常ではあまり耳にすることのない国】
縁あって100ヶ国以上の国や地域を訪問させて頂いております。 なぜ、自分で女王と言ってるかというと、西ヨーロッパ諸国を訪問した時に 立て続けに現地の人に、どこかの女王に似てると言われて有頂天になってるから。 どこの国の女王かは不明だけど。 特技は、どんな地域にでも雨を降らせて、虹を架けること。 究極の雨女です!
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