世界で一番火口に近づけるヤスール火山【南太平洋の島国・バヌアツ】

「自分探しの旅」という言葉を良く耳にするが

~自分を探してどうするの?行きつくとこは結局自分じゃん!~

という思いが強く、現実逃避のようなその言葉が昔は好きではなかった。

しかし、旅に出ると否応なしに「弱気な自分」や「意外と図太い自分」に気付き、ハッとする。そう考えると、私が旅に求めていることは結局

 

「新しい自分に出会うための自分探し」

 

なのであろう。旅に出ると人は特に感性が磨かれると言う。

見たり聞いたり感じたり、五感だけでなく第六感まで全てを働かせながら毎日何かを感じ、何かに気付き、大切な何かを思い出したりして過ごすことが、新しい自分を生み出す。

 

旅という真っ白な画用紙に、一人では色彩豊かな絵は描けない。

旅先で出会う人や風景達があってこそ、その画用紙が美しく彩られるのだ。

今回、ご紹介する南太平洋の島国「バヌアツ共和国」では、そのことを特に感じた。

 

まずはバヌアツのことを少し。

バヌアツは南太平洋上に浮かぶ島国。

バヌアツは南太平洋上に浮かぶ島国。

1700年代後半からヨーロッパの入植が始まり、イギリスとフランスで領土争いが頻繁に繰り返された後、1906年に共同統治で合意。そして1960年代からバヌアツが独立を求める運動を始めるが、英仏で統治が二分されていた為、島民同士まで対立。しかしイギリスがフランスの反対を押し切り、1980年にイギリス連邦加盟国として独立を果たす。

 

バヌアツは83の島があり、それらの半分は火山島。農業や観光業が盛ん。

言語は英語や、フランス語、現地語は100以上も話されている。

人口は約24万人。宗教はキリスト教。

 

2015年3月14日、この国をサイクロンが襲った。風速88メートルの太平洋史上最悪と言われるサイクロン「パム」は首都ポートヴィラに甚大な被害をもたらした。

その猛威は村ごと吹き飛ばすくらい強烈な強さだったという。

当時は通信手段も全て遮断され、現地の情報がなかなか入って来ない状況で、オーストラリア軍が飛行機を飛ばし、現地の情報収集にあたったとか。

バヌアツでの日本の支援の様子などを綴ったサイトを見つけたので貼っておく。

http://japan-indepth.jp/?p=21079

 

さて、バヌアツに来た目的はタイトルにあるように

「世界で一番火口に近付ける火山」を見に来たのだ。

 

火山があるのはタンナ島というところ。

タンナ島は首都ポートビラがあるエファテ島から南へ小型機で約1時間。

タンナ島は首都ポートヴィラがあるエファテ島から南へ小型機で約1時間。

小型機は10人乗りで荷物制限があるので、首都ポートヴィラのホテルにスーツケースを置いて2泊分の荷物だけリュックに詰めて出発。

首都はわりと都会でオシャレな建物も多いが、タンナ島はジャングル島。

女王が宿泊した「エバーグリーンホテル」はエコ感満載のホテル。

ジャングルの中に宿泊ロッジが点在する。

ジャングルの中に宿泊ロッジが点在する。

ロッジ内はシンプル。電力は自家発電なので夜間は真っ暗。懐中電灯は必需品。

ジャングルの中に建てられているため、虫が多いのが難。部屋に入ってまずすることは、蚊取り線香をたいて虫の死骸を掃除すること。。。

ジャングルの中に建てられているため、虫が多いのが難。部屋に入ってまずすることは、蚊取り線香をたいて虫の死骸を掃除すること。。。

火山ツアーは翌日だったので、到着日はホテルの人のすすめでカスタムビレッジという昔ながらの伝統的な暮らしを守る村落を訪問。

入り口では可愛い男の子が待っていてくれた。この子は通訳も兼ねた案内役の男の子。

村では学校に通う習慣がないが、酋長家に生まれた男の子は広い視野を持ち立派な酋長になる為に学校に通うという。

フランス語、英語、現地語を話せる。

フランス語、英語、現地語を話せる。

 

観光地でもある村なので、観光客慣れしていてフレンドリー。

観光地でもある村なので、観光客慣れしていてフレンドリー。

 

大地を力強く蹴る伝統的なダンスのおもてなし。

大地を力強く蹴る伝統的なダンスのおもてなし。

 

リアル・トムソーヤ・ハウスもあった。

リアル・トムソーヤ・ハウスもあった。

女性が木の葉っぱや皮で編みカゴを作る様子を見たり、男性が天然煙草をふかす様子を見たり、一緒にダンスしたりとかなり楽しめた。一番楽しかったのは、弓矢体験。生まれて初めての弓矢体験では5発中全て的に命中。体幹悪いし、方向音痴だし、とんでもない運動音痴なのに、奇跡が起こった。

村のお父さんに「ヨシ!今から狩りに行くぞ!!!」と誘われた(笑)

すっかり村の皆さんと仲良くなったが、時間は限られている。

名残惜しさを感じながら、お礼に編みカゴを購入し村を後にした。

 

エコホテルでの夕食の目玉はロブスター!!!ボードにも大きく書いてある!

ロブスターやエビ好きの女王、張り切って注文。しかし仕入れ数が限られていて事前に予約しておかないと食べられないそう…。

「売り切れなら、消しとってよ!」と思いながら、目の前で香港人カップルが得意げに食べているのを羨望のまなざしで見る。

そしてオーダーを取りに来たスタッフに、その日の夕食の注文より先に翌日のロブスターを予約。笑われたのは言うまでもない…。

 

さて、いよいよ火山ツアーへ。

火山へは日が沈む時間に合わせて出発。そうすると暗闇に真っ赤な噴煙が花火のように舞い上がりより迫力のある光景を見ることが出来るのだ。

 

舗装されていない道を四駆で2時間以上も揺られるのだが、この日は満席。

しかも体格の良い欧米人ばかりなので、彼らに比べるとか細い女王は、当たり前のように彼らに後部座席の真ん中へと促される。

ガタガタ道でカーブの多い道で真ん中の席…左右に倒れないようにバランスを保つのがやっと。

周囲は物凄く興味深い光景なのに、それを写真に収める余裕はなかった。

最初は緑が青々と生い茂るジャングルの山道を登って行くのだが、火山に近付くにつれ徐々に景色が変わり、緑よりも灰色な光景が目立つようになる。

火山灰が降り積もった一帯は色がない灰色の世界と変わり果てる様子を…。

 

ヤスール山の麓に到着すると一番に目に飛び込んでくるもの、それは

Volcano Post(火山のポスト)

「世界で最も危険な場所にあるポスト」としてギネス認定もされている。

なので、ヤスール山を訪れる人はここから手紙を出すことも一つの目的だ。

もちろん女王も張り切ってハガキを買って、ちゃんと日本までの切手を貼っていたのにホテルに忘れるというボケをかます。

仕方がないので、同じホテルで前日にロブスターをたらふく食べていた香港人の女の子に写真を撮らせてと頼む。

ここからお手紙、出したかった…また来るしかないのか…。

ここからお手紙、出したかった…また来るしかないのか…。

火山岩がゴツゴツした足元が悪い斜面を上がり、いよいよ火口へ。

余りにも近くで活動を目の当たりにするので、怖いと言う感覚よりも、もっと見たいという不思議な衝動に駆られそうになった瞬間、ガイドが

「それ以上近付いちゃダメだよ!余り覗き込まないで!」

と叫ぶ。今まで落ちた人はいないが過去に噴石が当たって日本人が亡くなったらしい。

バヌアツと日本は同じ環太平洋火山帯。

バヌアツと日本は同じ環太平洋火山帯。

暗くなるにつれ、火山活動が活発に。

カメラの性能が悪く、なかなか綺麗に撮れない…。

初めは、美しいと思って見ていたのだが、だんだん恐怖を感じる激しさに。

ここまで来ると、噴石が頭上を越え始めた。

ここまで来ると、噴石が頭上を越え始めた。

ガイドが別のツアー客を見て、独り言のように呟いた。

「あいつらのガイドは何やってんだ!素人か!?今日の活動がいつもと違うとは思わないのか!?」

女王ツアーとは別に他のツアー客も来ていたのだが、見るからに何かあったらすぐに逃げられない火口ギリギリのところに欧米人が数名いるのが見えた。
こちらのガイドはしきりに「自分から離れるな。」と言う。
今日は危ないから、「もう切り上げて帰った方がいい。」とガイドが言った瞬間、10メートルほど先に溶岩がドスンと落ちた。
出来たてホヤホヤ、オレンジ色した溶岩の温度は約1000℃、溶岩に近付く数メートル前から肌に熱さが伝わる。その溶岩を見てガイドはこう言った。

「車に何かあったら本当にマズイので、残念だけど今日はもう終わり」

もちろんそれに反対する人もいないし、むしろ自然の驚異を目の当たりにして一刻も早く帰りたくなった。
ガイドの言葉を聞いて焦る欧米人のおばあちゃんの荷物を持ってあげて、手をつないで、懐中電灯を照らし真っ暗になった火山岩の道を降りた。
滞在時間はわずか10分足らず。
しかし危機感あるガイドに恵まれていたことに感謝。

 

ホテルに戻って、満面の笑みでロブスターを満喫したが、夜は火砕流に追われる夢を見て何度も目が覚めた。しかし、夜はエコモードで真っ暗闇。仕方がないから懐中電灯を点けっぱなしで寝た。こうやってすぐに影響を受けやすい女王なのだ。
ソロモン諸島では戦車に乗った兵隊さんが窓の外の海からやって来る夢を見て、飛び起きたこともあった。

 

翌日は、首都ポートヴィラのホテルに戻ってゆっくり過ごす。

旅行会社もあり日本人スタッフも常駐しているメラネシアンホテルに滞在。

旅行会社もあり日本人スタッフも常駐しているメラネシアンホテルに滞在。

ホテルの方がとても良い方で、夜はカヴァ体験に連れて行ってくれた。

カヴァとは南太平洋地域で習慣として飲まれるオーガニックドリンク。

カヴァという植物の根っこ部分を粉末にし、水で濾過し飲用。

覚醒作用があるらしく、飲んだ後は心地よいけだるさに包まれるそうだ。

以前、フィジーでカヴァを飲んだことがあったが、吐いてしまった。

そのことを伝えるが、カヴァBarではいったんは口を付けないといけない決まり。

薄暗い怪しい雰囲気のカヴァBar、みんな覚醒しているのか静かだ。

しかし暗がりでギラギラした光る目玉は女王に集中している…。

とても拒絶出来るような雰囲気はない。

どうしても飲めない時は表に水道があり、吐いても良いとのことで、とりあえず口に含んだ。やはり無理。

 

オエエエエエエーーー!!!\(@o@)/

 

表に飛び出して吐いてしまった。泥水と苦い薬が混ざったような味で、舌先も少しピリピリする。

バヌアツのカヴァは最も上質で味が濃いと言われているせいか強烈な後味が残った。誘ってくれた彼も表で吐いている(笑)

 

その後は彼の案内で熊本出身の方が経営する日本食レストランに送ってくれた。

そして、その日本人女性も凄く良い方で帰りはホテルまで送って下さった。

「近いですから。そして同じ九州だし」と、まだ片付けなど終わってないはずなのに、その心に感動。

 

火山が目的だけで行ったはずのバヌアツだったが、実際の火山滞在は10分弱で、滞在中はタンナ島の伝統的な村カスタムビレッジ訪問や首都で観光を楽しんだ。

 

首都ではマーケットを散策したり

街歩きを楽しんだり

美しい滝も見たりした。

バヌアツは、お世話になった日本人も現地人も出会う人出会う人全てが良い人で、滞在者を楽しませるというホスピタリティに溢れる国だった。

災害や地震など天災も多い島だが、それにも負けず元気に力強く暮らす人々がいる。

 

・消極的になった自分を打破したい時

・好奇心を駆り立てる旅をしたい時

・人とはちょっと違う国へ行ってのんびりしたい人

・冒険はしたいけど危険な国には行きたくない人

・海が好きでも日本人が良く行く場所は避けたい人

にとってバヌアツは絶好の場所。

 

美しい海に青い空、南国リゾート感を満喫しながら、伝統的な村での体験やカヴァ体験も出来る。火山という地球のエネルギーを感じたり、自然を楽しむことも出来る。

 

タンナ島での真っ暗闇になるエコホテルを除いては一人でも全く心細くなく、人の好奇心をどんどんと引き出してくれて、心の奥にある冒険心をくすぐる最高の島だ。バヌアツで発見した新しい自分は

「意外と女王ってチャレンジ精神旺盛」

「旅人が旅をやめる島」と言われているバヌアツの魅力が少し分かった気がした。

いつかまた好奇心旺盛な人と再訪したいものだ。

いつかまた好奇心旺盛な人と再訪したいものだ。

 

※情報は2015.11.2時点のものです

珍国の女王

【珍国→珍しい国→日常ではあまり耳にすることのない国】

縁あって100ヶ国以上の国や地域を訪問させて頂いております。 なぜ、自分で女王と言ってるかというと、西ヨーロッパ諸国を訪問した時に 立て続けに現地の人に、どこかの女王に似てると言われて有頂天になってるから。 どこの国の女王かは不明だけど。 特技は、どんな地域にでも雨を降らせて、虹を架けること。 究極の雨女です!

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