旧五千円札 新渡戸稲造氏と深い縁のオーランド諸島

テレビ番組等でも良く取り上げられるように、今や日本人は世界中のあちらこちらで大活躍している。

日本の各種団体や企業等もそうだ。

海外で大活躍する彼らのおかげで、女王のような何の取り柄もない人間が日本人というだけで

「日本や日本人にはいつもお世話になっているから」

と歓迎を受けることが多い。

 

そして、ここオーランドでは、この島に関わった日本人の功績に本当に驚かされたし、素晴らしい縁が繋がった。

日本にいるとほとんど触れる機会がないヨーロッパの島だったが、この旅で一気に親近感が涌いた。

 

オーランド諸島は6500から成る群島だが、数えられている島数が6500というだけで実際は10,000を超えるとか。

そのうち、人が住んでる島はたったの65。

上空から見える無数の群島に驚かされる。

上空から見える無数の群島に驚かされる。

 

オーランドはスウェーデンとフィンランドの間にある。

オーランドはスウェーデンとフィンランドの間にある。

いつものようにここで歴史などを説明するのだが、今回はこの見慣れた紙幣、2004年10月まで五千円札の肖像画だった「新渡戸稲造(にとべいなぞう)」から紐解くとしよう。

今までの日本の紙幣の肖像画人物の中で何をしたのか一番分からない人だったが…

今までの日本の紙幣の肖像画人物の中で何をしたのか一番分からない人だったが…

オーランドへの渡航が決まり、いつもの通り予習に精を出していると、何を見ても「新渡戸稲造」のことが書かれてある。

 

第一次世界大戦末期、ロシアから独立したフィンランドとスウェーデンの間ではオーランド諸島の帰属問題で紛争状態にあった。

歴史的経緯においてはフィンランドだったが、経済的、文化的な面から見るとスウェーデンが有利とされていた。

それを解決に導いた人物が当時、国連事務次官だった新渡戸稲造だ。

「新渡戸裁定」と言われる内容は、

 

「オーランド諸島はフィンランドが統治し、言葉や文化はスウェーデン式のまま。そして、フィンランドの軍隊は置かない非武装地帯とし、自治権はオーランドにある」

 

というものだ。 当時、新渡戸稲造は国連メンバーからは絶大な信頼を得ており、最終的に常任理事国も両国もこの妥協案を受け入れたのだ。

 

「武士道の究極の理想は平和である」

 

という名言も残した新渡戸稲造の偉業であったのだ。

オーランド諸島は平和の島として、領土問題で頭を抱える国々が今でも解決の糸口を探しにやって来るという。

この解決方法を専門家はこう見ている。

 

「ただ単にオーランドの自治そのものの実現が目的であったのではなく、複雑な歴史と国家間の争い・面子の問題が絡みあい、その島々が接する欧州諸国の国境管理・安全保障上の問題解決を図るための妥協の産物がこの特別の制度設定の背景にあった」

 

日本人が本来持つ独特な平和的感覚や思考と柔軟性、日本人特有の白と黒の間にあるグレーの部分を非常に上手く使ったように思える。

同じ日本人でも到底誰にでも出来ることではないが、この感性は日本人なら誰でも理解出来るのではないだろうか?と感じたりした。

 

さて肝心のオーランド諸島についてだが、非常にシンプルな島だと思う。

何もないと言えば、何もないのかもしれないが、平和で時がゆっくりと流れ、気忙しい雰囲気は全くない。心穏やかに過ごしたい人には最適だろう。

首都であるマリエハムンは1日あれば見て回ることが出来る。

島と島を行き交うフェリーに乗って、島巡りやキャンプやサイクリングを楽しむのがお勧めらしい。

夏場の観光シーズンはヨーロッパからの観光客で賑わうそうだ。

心がホッとする穏やかな風景がどこまでも続く。

心がホッとする穏やかな風景がどこまでも続く。

オーランドは何もない…と言ってしまったが、世界で唯一ここだけにしかないものがある。

それは「4本マストで完全体の帆船ポマーン号」

1902年からその姿は変わらないとか。

1902年からその姿は変わらないとか。

船内は博物館になっていて、見学することが出来る。

戦時中に重要な食糧運搬を担っていたポマーン号は4本マストで速度が速く、イギリスとオーストラリア間で大いに活躍したとか。

レトロ感漂う船内は必見。100年以上経っているとは思えない重厚さ。

レトロ感漂う船内は必見。100年以上経っているとは思えない重厚さ。

 

すぐにでも出航出来そうなほど、若々しさを感じる。

すぐにでも出航出来そうなほど、若々しさを感じる。

そしてオーランドは食事が本当に美味しい。

どのレストランに入っても質が高く、驚いた。特にサーモンは絶品。

2~3皿、ペロッといけそうなくらい美味しい!

2~3皿、ペロッといけそうなくらい美味しい!

 

デザートも可愛くて、オシャレ。

デザートも可愛くて、オシャレ。

面白かったのはオーランドに伝わる黒パン。

事前予習でオーランドで黒パン作りに励んだという北欧料理研究家の方のブログより得た情報で、絶対にお土産に持ち帰りたいと思っていた。

ライ麦が入る黒パンは表面にシロップを塗って、何度かオーブンに入れるため、その名の通り黒くなる。

ライ麦が入る黒パンは表面にシロップを塗って、何度かオーブンに入れるため、その名の通り黒くなる。

見た目とは反して、食べてみて驚いた。

ジャムや蜂蜜やバターはもちろん、チーズ、ハム、野菜など何を塗っても乗せても挟んでも相性が良い上に、パンの味が素材を邪魔しないのだ。それでいて、風味豊かで甘みが程よい。

食パンやフランスパンのようにスカスカしていなくて、ずっしりとお餅のように中身が詰まっている感じだ。

お土産としてたくさん買いたかったのだが、以外と重くスーツケースには重量制限があるので2斤しか持って帰れなかったのがとても残念だった。

本当は丸いのが良かったが、スーツケースのスペース的に長方形にした。

本当は丸いのが良かったが、スーツケースのスペース的に長方形にした。

そしてオーランドでの最大の目的はコレ!!!

ブログに紹介されていた有名女性パティシエが作るチョコレート!

何度も言うがオーランドには何もない…はずだったが、

北欧の食文化という視点から見ると、あり過ぎた。

そのチョコレートショップは「メルセデス・ショコラティエ」

偶然にも、ランチで連れていってもらった隣にあったのだ!

ロシアの統治時代、郵政業務を行うために建てられた建物の一角にある。

ロシアの統治時代、郵政業務を行うために建てられた建物の一角にある。

さて、チョコレートのお店に入ると優しそうな女性が迎えてくれた。

彼女が、メルセデスさん。

彼女が、メルセデスさん。

女性パティシエらしいハート形や飾り付けが可愛らしいチョコレートがたくさん並ぶ。

店内は甘い香りでいっぱい。見ているだけで幸せになれるチョコたち。

店内は甘い香りでいっぱい。見ているだけで幸せになれるチョコたち。

 

チョコレート以外にも蜂蜜やジャムなども。その可愛さにもテンションが上がる。

チョコレート以外にも蜂蜜やジャムなども。その可愛さにもテンションが上がる。

女王が日本人だと分かると、メルセデスさんが恐縮しながら頼みたいことがあると言う。

 

「私に出来ることなら、もちろん!」

 

と言うと、以前にここに来て取材をした日本人女性がいたのだが、その時にお礼が出来なかったから、チョコレートを日本から送って

欲しいのだと。その人の名前を聞いて本当に驚いた!

 

女王が事前予習で情報を取りまくっていたブログの方だったのだ!

 

その事をメルセデスさんに伝えると彼女も本当に喜んでいた。

まさか自分が参考にしていたブログの方と、ここオーランドで繋がるとは思ってもみなかったことだ。

日本に帰って、メルセデスさんから彼女のメールアドレスや住所など連絡が入るようになっていたが、ちょっとした行き違いがあり、チョコレートが渡せない日々が続いた。

賞味期限があるだろうし、焦ってきた女王は彼女の行方をフェイスブックで探ってみた。

ブログの内容とフェイスブックの内容が一致する方が見つかった。

こういう時、フェイスブックは本当に便利だ。

恐る恐るメッセージを入れてみると、すぐに返事が来た。

繋がったのだ!!!この時は本当に嬉しかったし、不思議な感覚になった。

そして、オーランドを通して知り合えたご縁にとても幸せな気持ちにさせてもらった。

その方に送ったチョコレート。もちろん女王もお礼にとたくさんサービスしてもらった。

その方に送ったチョコレート。もちろん女王もお礼にとたくさんサービスしてもらった。

この旅を通して、とても大切なことを学ばせてもらった気がする。

「何もない」と言ってしまったが、「何もない」と決めつけているのは自分自身の心であること。

 

見所がないから、何もないのか?田舎だから、何もないのか?

興味がある場所ではないから、何もないのか?

そう判断してしまっているのは自分の心だ。

どんな場所でも「何もない」ことなど絶対にないのだ。

 

異国の地にお邪魔させてもらう以上、その場所に興味を持って執念深く調べることは大切であり、それによって今回のように日本との関わりを深く知ることが出来、ご縁も繋がった。

 

過去も現在も、そしてきっと未来も…オーランドに関わる日本人がいるということが、ここを訪れる日本人にとってどれだけプラスになっていることか。

想像力を働かせて考えてみた時、そういう方々に感謝せずにはいられない。

オーランドのスーパーで見つけた、ちょっと怖いお侍さんの絵が書いてある「WASABI」にも感謝しながら、オーランドの日々を思い返してみた。

粉わさび…パッケージがこわい…。

粉わさび…パッケージがこわい…。

帰国後に、この粉わさびの話をした相手から「話のネタに買って来て欲しかったな~」と言われ、本当にそう思った。

今度行く機会があったら、黒パンよりも重視したいと思う。

その前に、誰か行って来てくれないかなぁ~。

 

※情報は2015.12.9時点のものです

珍国の女王

【珍国→珍しい国→日常ではあまり耳にすることのない国】

縁あって100ヶ国以上の国や地域を訪問させて頂いております。 なぜ、自分で女王と言ってるかというと、西ヨーロッパ諸国を訪問した時に 立て続けに現地の人に、どこかの女王に似てると言われて有頂天になってるから。 どこの国の女王かは不明だけど。 特技は、どんな地域にでも雨を降らせて、虹を架けること。 究極の雨女です!

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