ウバンギ川に沈む夕日を眺めて思うこと【中央アフリカ】

本や世界旅のブログを読んでいると、よくこういった言葉を目にする。

『大して面白いものはなかったので、その国はさっさと退散した』

『また同じ風景ばかり。特筆すべきものはない』

『これと言って見るところもない』

など。

旅行者にとってはこういったことはよく感じる。 もちろん女王もそうだ。

しかし、女王の場合はそう感じた場所にでも 何度も行かないといけない。 だったら、せっかく行くのだからどうやったらその地域での滞在を少しでも印象的なものにするかを考えるようになった。

どんなにつまらない光景でも、そこに暮らす人にとっては何もかもが日常そのものであり、故郷である。 見慣れた風景、食べ慣れた味、心地よい風、歩き慣れた並木道、混沌とした状況。 同じような感覚になることは無理だとしても、そういうものを肌で感じる努力をするようになってから、 旅が『つまらない』で終わることはなくなった。

 

さて、アフリカという場所はどこも砂埃で黄色っぽく、 大きな環線道路の両側にはパラソル下で物を売る露天商がいたり、 渋滞中は車と車の間をすり抜けながら 水、ピーナッツ、時計、カミソリ はたまたサッカーボールや洗面器などを売る物売りがやって来たり、 巨大で迷路のような市場があったり 少し道を入れば赤土に覆われた道路になり、 トタン屋根の家やバラック小屋、木々や葉っぱで出来た家があったりする。

各国が抱える諸事情も同じような問題ばかりだ。 豊富な天然資源がもたらす利権問題、貧困、宗教問題、民族紛争、政情不安、クーデターなど。 そんなアフリカなのだが、何故か何度行っても心を揺さぶられる国がある。

それが今いる国【中央アフリカ】

アフリカの中央部分に位置する、その名の通りの中央アフリカは 政情不安で何度も反政府軍などによるクーデターが起こり、数年前には軍が市民のデモ隊に 発砲し数万人(10万人以上とも言われている)が亡くなり、一気に孤児(ストリートチルドレン)も増えた。

 

内戦が落ち着いたときを見計らって、今この地にいるのだが 3年前と明らかに違うのは国連軍の数。物騒な装甲車も多く見かける。

しかし中央アフリカを流れるウバンギ川に沈む夕日は変わらず美しかった。 水面に映る太陽、カヌーで漁をする男たちの声、川遊びをする無邪気な子供たちの声、鳥が羽ばたく羽音、カヌーとカヌーがぶつかり合う音、そして、女王を見ると 『マネー、マネー、カドゥ(プレゼント)』と言いながら付いてくる子供たち。

静穏な時の流れを感じながら、同時に突き付けられる現実。 葛藤はあったがポケットにあった飴をそっと渡した。 よその国では絶対にしないのだが、いつも何故かここ中央アフリカでは 子供たちにカドゥを渡してしまう。 もちろん、取り囲まれないように最善の注意を払ってのことだが。

それは以前、中央アフリカで国連関係の支援活動をしている人にこう言われたことがあるからだ。

『たった1回のことでも彼らはあなたから優しさをもらったことを忘れない。 カドゥを渡して彼らを笑顔にしたことが尊いんだ。 今の彼らはそれ以外のことでは笑顔になれないんだ。いつも心で泣いている』

このことについては賛否両論あるかもしれないが。

またいつこの国に来ることが出来るかは分からない。 また3年、5年と難しいかもしれない。 今の中央アフリカの現状をしっかりとこの目に焼き付け、明日また次の国へと旅立つ。

 

※情報は2016.1.26時点のものです

珍国の女王

【珍国→珍しい国→日常ではあまり耳にすることのない国】

縁あって100ヶ国以上の国や地域を訪問させて頂いております。 なぜ、自分で女王と言ってるかというと、西ヨーロッパ諸国を訪問した時に 立て続けに現地の人に、どこかの女王に似てると言われて有頂天になってるから。 どこの国の女王かは不明だけど。 特技は、どんな地域にでも雨を降らせて、虹を架けること。 究極の雨女です!

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