九州のマッターホルン 虚空蔵山へ!

切りたった山容から九州のマッターホルン、と呼ばれる山が長崎県と佐賀県の境にあります。虚空蔵山(608m)。九州百名山にも選定されたその山に行ってきました。

虚空蔵の名は、宇宙の慈悲と知恵を司る虚空蔵菩薩が由来のようです。かつては雨乞いの山ともされ、周辺地域の人々の多くの信仰を集めていたといいます。

東そのぎICから海沿いに走り、川棚の街から山に向かって折れてさらにずんずん上っていくと、日向の棚田と呼ばれる場所にたどり着きます。

未来に残したい日本の美しい風景がここにありました。

未来に残したい日本の美しい風景がここにありました。

道の両側にきれいに石積みされた棚田が広がり、レンゲがピンクの美しい花を咲かせていました。その上で鯉のぼりがはためく光景は、日本の山村美をそのまま具現した、桃源郷のようなところでした。

つたに覆われた風情ある石積みの水飲み(汲み)場を過ぎ、山道を登り詰めて登山口へ。ウグイスの声が響く新緑の森から登山開始です。

最初の急登にあえぎながら「ファミリーコース」と「冒険コース」の分岐点へ。

もちろん、ここは一も二もなく冒険コースを選択です。その名の通り、はしごやくさりが次々に現れる岩場のコースは、両側が高い崖のヤセ尾根もありスリルにあふれています。

こんな狭い道を登ったり…

こんな狭い道を登ったり…

ザックザックと小道を分け入ったり…

ザックザックと小道を分け入ったり…

頂上を目指しているのに道が下り坂になっていたり…

えっほ、えっほ

えっほ、えっほ

歩け、歩け

歩け、歩け

慎重かつ黙々と登りをこなすとやがてポンと大眺望が開け、ほどなく頂上に着きました。

晴天ならはるかに大村湾や反対方向に多良岳を望むはずですが、曇り空で視界もそこまでは効きません。それでも、若木萌える近くの山を絶壁越しに見下ろす眺望は、最高の一言に尽きました。

ヤッホー!!!

メンバーの「ヤッホー」が確かにこだまとなって返ってくるのを楽しみながら、雨予報をかいくぐり薄日まで差す僥倖に、思わず山頂の祠に鎮座する仏に手を合わせた次第です。

仏様の近くに、みんなの声が寄せられた登山日記がありました

仏様の近くに、みんなの声が寄せられた登山日記がありました

帰りはファミリーコースを選び、予想外の急坂に驚きながらも短時間でスムーズに下山。

ファミリーコースにしては手ごわい…

ファミリーコースにしては手ごわい難所も…

途中、水飲み場で喉をうるおし、棚田の写真をたっぷりとりながら美しい山里を後にしました。

それにしても夢のような風景に突如現れる「石木ダム反対」の看板は、この一帯が実はただならぬ状況に置かれていることを知らせていました。「団結小屋」もあり「(買収交渉の)県職員お断り」の張り紙を張った家もあります。一方で地区の入り口には「賛成」の巨大な宣伝塔も立っています。そのことが人々の間の深い亀裂も想像させました。

何年も続いてきたのどかな風景がいつか変わってしまうのでしょうか…

頂上で知り合った若い爽やかなジャージ姿のカップルは、大村湾を望むドライブインの太麺皿うどんが美味いことを教えてくれた上に、わざわざ車で数キロの道のりを先導してくれました。日本人の心はまだまだ優しく気高い、軽い感動すら覚えながら、あらためて美しい日向の棚田の光景に思いを致しました。

山には鳥の歌と春の花を そして人々の暮らしには喜びと英知を。

南無虚空蔵菩薩

 

※情報は2014.4.23時点のものです

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